2020東京五輪エンブレム問題。アギーレ氏は「八百長疑惑」で「信頼」を失いサッカー日本代表監督を辞めました。このときと同じ「事態」だと思います。
- 2015/08/31
- 07:01
「のど自慢」やってまして。
右上に「生放送」という文字があって「へぇ~」と。
しかもSMAPがゲストで出ててちょっとびっくり。
あとでツイッターなんかを見ると相当盛り上がってたようで、
今日は「特別版」だったようです。
で、私がチラッとだけ見た時は、ちょうどもう1人のゲスト、
坂本冬美が歌ってたんですけど、やっぱり坂本冬美さんは
歌が上手いなぁ~。
演歌以外の歌手ともコラボやってるのを今まで何度か
聴いたことあって何を歌っても上手いなぁと思ってたけど、
久しぶりに聴くと、いやぁ、本当に上手い!!
私は演歌、特に曲調ワンパターン演歌は苦手なんですけど、
会場で坂本冬美の生の声を聴くと、多分もっと感動するだろうなぁと。
特に今日聴いてて思ったのは、ただ「上手い」だけじゃなくて、
伝えようとする気持ちがすごく伝わってくるというか、一つの曲を
すごく丁寧に歌ってるのがじわ~~っと感じられたんですよね。
スタジオ収録でなくて、お客さんが目の前にいるライブだから
余計にその気持ちが強く感じられたのかもしれないです。
今回改めて「これぞプロの歌手!」と思える方だなと思いました。
「プロ」の仕事って、やっぱり「丁寧な仕事」というのが本当だよなと
つくづく感じた次第なんですけど、ちょっとこじつけとなりますが、
どうしても東京五輪の「エンブレム」問題へと繋がっていくんですよね。
8月28日に行われた東京五輪組織委の記者会見をじっくり動画で
見てた時、次男がふと、
「アギーレは監督辞めたのになぁ。」と。
「だよね~。」と同意した次第でした。
スペインのプロサッカーリーグ「リーガ・エスパニョーラ」に所属する
クラブの監督時代に起こった八百長試合疑惑を告発され、
今年1月にバレンシアの裁判所が訴追を受理。
2月3日に日本サッカー協会はアギーレ監督との契約を解除。
下記はNumber Webの2015年2月26日付け記事での
アギーレ元監督の言葉です。↓
http://number.bunshun.jp/articles/-/822774?page=1
【ハビエル・アギーレ
「日本サッカー協会の決断は、ある程度予想できたことだった。】
(Number Web 2015年2月26日)より
■ハビエル・アギーレ元日本代表監督発言の抜粋
4年間で日本サッカーを変える。
それが昨夏に日本代表監督に就任してからの私の
目標だった。
しかし結果的に、その夢は叶わなかった。
代表監督としての終わり方は残念なものだったが、
契約解除という日本サッカー協会の決断は、
私や家族にとって数カ月前からある程度
予想できたことだった。
だからあの電話を受けた時も、特に驚きはしなかった。
不当だという思いもある。
しかし日本という国の文化や国民性を考えると、この決断も
やむを得ない。
日本では告発されるという事態が非常に厳しく見られるからだ。
告発はほぼ有罪という見方がされる。
そこがスペインや欧州との大きな違いだ。
日本にはモラルの観点から、それらを非常に
厳しく見る文化があるんだ。
~~~~~~~~~~~~~~~
日本サッカー協会会長が、UAE戦後に私のところへきて
ねぎらってくれた。
彼は『いい仕事をしてくれている』と私の取り組みやサッカーを
賞賛してくれた。
しかし日本に帰国後、大会を振り返るミーティングをした際に、
会長は私だけを呼んでこう言った。
『私は個人的にあなたの仕事にはとても満足している。
しかし告発の件で国民やメディアからの重圧が日に日に
高まっている。
もし告発が受理されればまずいことになる』と。
そして実際にそうなったわけだ.。
ある意味、よく日本のことを解ってらっしゃるなと。
アギーレはスペインでの3年前の試合について告発され、
それが元で契約解除された。
日本での監督の仕事においては何も疑惑はなかったとしても、
八百長疑惑で告発された人物の元で選手達が果たして「信頼」を
持って監督についていくことが出来るのか?
4年後のワールドカップまで続けられrことが出来るのか?
どう考えても、もやもやとした気持ちを持ちながら4年間、
続けられるはずがありません。
監督と選手の間に「信頼」が成り立たなければ絶対に無理だし、
また、心から応援をしたい国民もまた、4年間ずっと不可解な気持ち、
嫌~な気持ちを持ち続けなくてはいけないなんて、どう考えても
無理でした。
今回の東京五輪エンブレム問題もこれと同じだと思います。
■8月28日の組織委の記者会見の全編動画です。↓
★(全録)五輪エンブレム問題 組織委が会見し原案公開
★(全録)五輪エンブレム問題 組織委が会見し原案公開 質疑応答
今回は記者会見の全文書き起こしをされているブログさんが
ありましたので、そちらも参考にさせていただきました。
「聞文読報」というブログ様です。
「書き起こし」ってホント大変なので、ものすごく有り難いです。
皆さんも是非全編「文字」でも内容を確認してみてください。↓
★ブログ「聞文読報」:
8月28日 五輪エンブレム選考過程に関する記者ブリーフィング・質疑応答(全文)
『東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会』
で、今回の記者会見を聞いて、先ず思ったのは、
前回8月5日に行われた記者会見で佐野研二郎が
主張してたコンセプトやら何やらが全部吹っ飛んだな、
ということでした。

佐野研二郎の原案(左)と1回目の修正案。(毎日新聞より)
前回の記者会見の直後に書いた拙ブログ記事から、
佐野研二郎の主張内容をもう一度紹介します。↓
★2020年東京五輪の「エンブレム」。
「桜のリース」にこそ日本国民の「思い」が込められていたはず。
そして東日本大震災での各国の支援への御礼の気持ちも込められるはず。
アートディレクター、デザイナーとして、これまでの知識や
経験を集大成して考案し仕上げた、私のキャリアの集大成
とも言える作品。
大いなる情熱を持ってこのチャンスに挑み、ブラッシュアップを
何度も繰り返して世界に類のないエンブレムが出来たと
完成時に私自身確信した。
力を出し切って真にオリジナルなものが出来たからこそ
自信を持って世の中に送り出せるようなものになったんだと
思う。
エンブレムを製作するときに一つの強い核を見つけたいと
思って、いろんな方向性を試した。
その中の一つとしてTOKYOの「T」に注目した。
アルファベットで2つの広く世界で使われている書体があり、
それを見たときに非常に力強さと繊細さ、しなかやさが
両立している書体だと思い、このニュアンスを生かすことが
できないかというところから発想から始まった。

「T」の上部に「楕円」的なものが入っている。
これを見て亀倉雄策さんが1964年の東京オリンピックの
時に創られた「大っきい日の丸」をイメージさせるものに
なるんじゃないかと思い、単純に「T」の書体と「円」の書体が
組み合わせたようなデザインが出来るのではないかと思った。
この内容を聴いたときにも
えっ!?
(・◇・ )
と思ったわけですが、今回、原案を見せられてしまったら、
また更に
ええっ!?
(・◇・ )
となってしまったわけでして。
だって唯一、佐野の主張の中で最初からあったのは、
>TOKYOの「T」に注目した。
ただこれだけなんですよ。
その他は、「やり直してくれ」と言われてからのことであって
最初の佐野の原案には大きな円で表す「日の丸」も、よって
亀倉氏の1964東京五輪のデザインも、な~~んにもそもそも
コンセプトの中に入ってなかったわけです。
(ちなみに赤い●はハートだそうです。
しかも原案では下に転がってるし、心臓が!)
前回の記者会見の内容で特に「えっ!?」と思ったのは、
①何故、他のデザインと酷似する可能性が非常に高い
アルファベットをそもそも使ったのか。
②何故、そのアルファベットの中でも汎用性の高い
書体を元にしたのか。
③展開例で出されたアルファベットと数字のタイポグラフィーでは、
「●」と「T」が例外的パターンとなっているだけでなく、非常に
読みづらくて解りにくい。
④「ブラッシュアップ」を何度も繰り返したと言うのは
いったいどういうことなのかが不明。
主にこの4つです。
①と②については、あまりに短絡的過ぎるというかなんというか・・。
何度も言いますけど「企業ロゴ」、「商業ロゴ」ですよね、
まるで。
いわば「オリンピック」という概念が完全に抜け落ちて
しまってる、そんな感じが否めなかったんですよね。
そう思ってたら案の定、佐野自身が最初に考えたという
「原案」には、上記「主張」にあった「日の丸」はどこにも
なかったことが明らかになりました。
③のタイポグラフィーについては、
今回の記者会見で原案のものも出されてきました。↓

「展開」されたA~Zのアルファベット文字と1~0の数字。
(「0」の後は何なのか不明・・。)
これが、最終的にこうなったと。↓

修正後の「展開例」
でもね、「原案」もよく見ると、結構また「えっ!」と思うところが
ありまして。
「B」「G」「8」や「R」もおかしいし、そもそも文字の大きさが
統一されてなくて、なんでこっちは9分割のうち3分の2だけしか
使ってないのに、こっちはフルなんだ?とか、いろいろ見てると、
イラッとするんです。
素人から見ても「中途半端」で、まるで「やっつけ」で作って
提出したように見えてしまうんですよね。
まぁそれよりも何よりも、読みづらい!!
で、今回の記者会見の中で、審査員の1人で民主党の
ロゴを作った浅葉克己の紹介が、
日本グラフィックデザイナー会長でありまして、
東京タイプディレクターズクラブ理事長、特に
タイポグラフィー、活字デザインのご造詣の深い、
浅葉さん。
でした。
記者会見では何回も「展開の素晴らしさ」というのが
評価の一つとして出されてて、このタイポグラフィーは
すごく選考の鍵になってるような気がするんですが、
この「大御所」の1人、浅葉克己が推す声とか、すごく
大きかったんじゃないかと想像してしまいます。
新国立競技場の国際コンペでも「ザハ案」は全会一致と
されてますが、実際には「現実化できるのか」などの
懸念の声があったことが明らかになっています。
その中で最もザハ案を推してたのは審査委員長の
安藤忠雄ですし、声のやたらとでかい「大御所」の声で
ドンドン固まっていったのは想像できます。
★新国立競技場問題。東京五輪の立候補ファイルには
野田総理の保証書が付いてたことは何故スルーなんですか?
民主党とマスコミって本当に卑怯ですね!
あと、この文字を使ったタイポグラフィーというのは、こんなに
見づらくていいのか?こんなものなのか?と疑問に思ったので
調べてみると、他のプロの方の意見でこういうのがありました。↓
http://blog.btrax.com/jp/2014/07/01/type1/
【タイポグラフィ入門 – 10のやってはいけない事.】.
(筆者: Brandon K. Hill :btrax.com 2014年7月1日)より抜粋
■まとめ
優れたデザインを生み出したければ、まずはルールを守る事。
英語で
”Break the rule only when you know the rule.
(ルールを破るのであれば。まずはそれを理解してから)“
という表現があるが、奇抜なデザインを求める前に、まずは
ルールに従うことで、”正しい”デザインをしてみよう。
タイポグラフィーの場合は、第一に読みやすさ、その次に
文字要素から伝わってくるメッセージや雰囲気を大切にしたい。
“タイポグラフィーは文字に生命を吹き込み、
そこに書かれた言葉以上のメッセージを伝える。”
※筆者:
Brandon K. HIll (ブランドン・片山・ヒル) 氏。
米国 ビートラックス社のCEO。
(サンフランシスコに本社のある日・米市場向けBranding / Marketing 会社)
北海道札幌市出身の日米ハーフ。
高校卒業時までほぼ日本で育ち、1997年アメリカサンフランシスコに移住。
サンフランシスコ州立大学デザイン科卒。
主要クライアントは、カルビー, DeNA, CyberAgent, TOTO, JETRO, 伊藤忠商事, 等
すごく納得するんですけど。
やっぱりそうですよね。ふむ。
そもそも「展開」というのは、元のデザインがよくなくちゃ
元も子もないと思いますけど、何であれほど「展開!」「展開!」と
言うのかが私にはわかりません。
加えて、佐野の「展開例」のアピールでは、
またネットでの画像から拝借したものを利用してたと
いうのですから、開いた口が塞がりません。↓

佐野の最終案の展開例
↓ ↓ ↓ ↓ ↓

あの、佐野研二郎って「プロ」なんですよね。
ちなみにこちらは佐野の原案での「展開例」。↓
パラリンピックのロゴはありません。
今回の記者会見ではパラリンピックのロゴは関係ないとして
わざと消したのか、それとも元々なかったのか、どちらなのかは
正直分かりません。

もう一つ、④番目の「ブラッシュアップ」について。
以前のブログ記事で自分が疑問に思ったことを再掲。
招致ロゴ(桜のリース)は、2011年9月末の募集で、
ロゴのお披露目発表は、2ヵ月後の11月30日です。
でも、今回の「エンブレム」は、募集が2014年の
10月10日までで、入選者が内定して本人に受賞の
連絡があるのが12月末頃まで。
それから正式発表が2015年7月24日です。
さらに半年以上経ってからでした。
審査結果はもっと早く公にすべきではないのかなと思うんですが。
そのあとで、「展開」とかを考えたり、PR動画とか作ればいいと
思うんですよね。
また、記者会見で「ブラッシュアップ」という言葉がよく使われて
いましたが、これは、招致ロゴで言えば、お2人のプロ監修の下、
製作者の美大生が最終形まで仕上げていったことと重なるんだと
思うんですけど、このときは「アマチュア」でしたから、そうなると
思うんです。
でも今回はプロでしょう?
著作権の委譲などを考えても、何かおかしいような気が
します。
それにしても、結果の公の発表までが長すぎるように
感じます。
やっぱり動画とかそういうものを作る前に、固定された
「エンブレム」としてさっさと公表すべきなのではないかと。
自分自身が感じたこれらの疑問は、今回の記者会見で
謎が解けました。
「原案」が「商標に似たものがある」と言うことで
「やり直しさせられた」ってことですよね。
半年かけて。
しかも2回の修正。
しかも「こそこそ」と。
美大生の「桜のリース」は、プロのデザイナー監修を経て
2ヵ月後に発表されたことは、ちゃんとマスコミに公表されて
いましたからね。↓
★2020年の東京五輪は、「日本人の思い」が込められた「桜のリース」の五輪エンブレムで迎えたい!!
「桜のリース」の時の審査員には、あの東京五輪招致の
プレゼンでスピーチされた五輪招致委員会事務総長の
水野正人氏や熊本のゆるキャラ「くまモン」の生みの親である
放送作家・脚本家の小山薫堂さんが参加されていました。
また、選定後は、戦後の復興期から60年にわたって日本の
デザインを牽引してきた「GKグラフィックス」の久田邦夫氏と、
そのGKデザイングループの創設者で、キッコーマンの
卓上しょうゆ瓶や秋田新幹線など日本人には馴染みのある
デザインを多数デザインも手がけた榮久庵憲司氏による
監修の下、美大生本人が最終形のデザインを制作した
そうです。
でも今回は、動画も何もかも作ってからの、「選定から7ヵ月後」の
発表で、既成事実化してるような気はしたんです。
何でそこまでして佐野研二郎のであのシンプルすぎる「T」に
こだわる必要があったのか?ということですよね。
しかも最初の原案には日の丸も1964年も亀倉エンブレムも
全く関係なかった。
しかし、今回の記者会見では、特に審査委員長の永井一正が、
大絶賛してるんです。
一方、組織委の武藤事務総長は、審査結果をあくまで尊重した形で
話をされていると私は思います。
武藤氏は元大蔵官僚で、2009年4月からは母校である
開成中・高校を運営する開成学園の学園長兼理事長も
務めているそうです。(両職ともに無報酬)
ここで武藤事務総長について過去のインタビューからちょっとピックアップ。↓
★武藤・五輪事務総長「オールジャパンで挑む」(毎日新聞「経済プレミア」2015年6月8日)
組織委員会発足の1週間くらい前でしたね、森会長に呼ばれて、
「組織委の会長を自分が引き受けざるを得なくなった」と、
その経緯についてお話がありました。
そして「20年に向けて一緒にやってくれないか」ということでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(返答には)1日考えました。
森さんとは大蔵省(現・財務省)時代から長い長い縁がある。
ただ、私がやってきた大和総研理事長の仕事を放り出して
いくわけにはいかない。
五輪だけならお断りしようかなと思いましたが、両方かけもちでも
構わないということなので、やってみようかと思いました。
今の仕事の配分は事務総長が6分、大和総研が4分という感じ
ですね。
五輪開催間近になればこちらが忙しくなってくるでしょうが。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
84年にロサンゼルス五輪があり、その前と後とで組織委員会の
性格が大きく変わっている。
それ以前の五輪は税金でやっていたんです。
我々はいま一銭も税金が入っていない。
スポンサー収入とチケット収入、それにIOC
(国際オリンピック委員会)からいただくお金や寄付金。
ただし、大会の収支が赤字になると、東京都が埋めることに
なっている。
でも本当にそんなことになったら大問題になる。
収支を合わせることが最大の問題だと
思っています。
組織委員会は主な収入をマーケティングに依存しています。
スポンサー収入ですね。
オリンピックのロゴやエンブレムの使用権を企業に認める
代わりにお金をいただく。
お金集めなので、価値が高まらないと収入も少ない。
東京オリンピックがいかに日本の未来に影響を及ぼすもの
なのかと、きちっと説明する必要があります。
「東京五輪を赤字にしてはいけない」
これは事務総長にとっては当然ながら最も重要なことであって、
エンブレム問題もどうしてもここに集中するんでしょうね。
「展開」と言う言葉が頻繁に使われるのも、ここに繋がる
のは確かです。
ただ武藤氏は実際のデザインの展開などは多分詳しく
ないでしょうから、そこの辺りはどうしても組織委
マーケティング局長の槙氏やエンブレムを決めた
審査委員長の永井一正の言うことを鵜呑みにする
ことになるでしょうね。
今回の記者会見での武藤事務総長は記者との質疑応答の
様子を見ても、嘘をついたりとか、いい加減な感じで話したり
する方では決してないと私は感じました。
記者会見の中での武藤事務総長の発言から。
(記者質問は短くしています。事務総長は原文ママです。)
【AFP通信社】
訂正する過程の中で、審査委員なり第三者の方が
デザイン自身に手を加えるとか、こんな風にしたほうが
いいんじゃないかとか、そういう具体的なデザインに
手を加えたような過程があったのか。
それとも、すべて彼がやったと考えていいのか。
【武藤敏郎事務総長】
ひと言で申し上げれば、いまのお訊ねに対して、ひと言で
申し上げれば、すべて、佐野さんが決めたことであります。
我々は、類似のものがあるので、少しお考えいただいたら
どうかとか、そういう訂正的なことを申し上げたと。
したがって、作られたものはすべて、佐野さんが自らのものと
して作られたというふうにご理解いただいて結構でございます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【共同通信】
なぜ、前回の記者会見で公表されなかったのか。
【武藤敏郎事務総長】
誠に、ごもっともなご疑問だというふうに思います。
わたしどもは、最初に申し上げましたとおり、非常に
特殊な訴えがなされている状況にあるんですね。
被告はIOCであり、リエージュの裁判所に起こされていて、
我々は、現在、このエンブレムの所有者は、東京2020
組織委員会であるということであります。
常に、この関係で、いろんな意見交換をしながらやっていく
わけでございますけれども、訴訟に応える当事者はIOCで
ございますので、我々の発言なりなんなりが、その訴訟に
どういう影響を及ぼすかということについては、そういう
観点から、IOCのご理解、ご了解が必要になるわけであります。
今日でも、訴訟は依然としてIOCが引き受けておられますので、
我々はギリギリのことしかできないわけでありますけれども、
しかし、ご指摘のように、いつまでも放っておくのは適切でない
ということから、今回、このご説明に踏み切ったわけでございます。
そういう意味では、もっと早くするべきだったとわたくしも思って
おりますので、その点は、率直にお詫びしたいというふうに
思っております。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【NHK】
修正を加えるという時点で2位、3位のものにしようという考えは
なかったのか。
【武藤敏郎事務総長】
それは、ありませんでした。
得票数からみても、佐野さんの案がもう、
審査委員の圧倒的な支持を得ているもんですから、
それを前提にやっていこうというのが、
当初からの我々の対応方針であったということであります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【日刊スポーツ】
確かに今日の説明で、原案がリエージュ劇場とまったく
違っていたのはわかったけれども、その間にブランクが
ある。
その中で、言い方は悪いが、さまざまな情報が佐野さんは
見れると思う。
その中で、見たかどうかは別にして、徐々にリエージュ劇場の
ものに似てきてしまっているのは事実。
となると、その原案は確かに違ったことはわかったが
その修正の過程で何かがあったというのを、排除するのは
ちょっと難しいのではないかと思うが、それについてはどうか。
【武藤敏郎事務総長】
いま、縷々、申し上げたような論理の変化があって、それで
ものが出てきたということなんですね。
それをおわかりいただければ、厳密に言えばその間に、
なんかどっかで見たんじゃないかとかって、そういう議論は
否定できないと思います。
それはむしろあったということを言ってもらわないと、
何も無かったんだということを、我々から証明するって
いうのは、これは困難だと思います。
しかし、論理が非常にはっきりとした上で変わっていくわけ
ですから、そこに何かが、他のものが入ってくる可能性は
きわめて低いだろうと、いうことを申し上げるために、この
展開を申し上げてるわけなんですね。
結果的に、最後のものが似たかどうかということはあるかも
しれませんけども、我々は、それもすべて、なぜそうなったかと
いうことを説明してるわけなので、そこをご理解いただければ、
オリジナリティーというものにつながるのではないかというふうに
思っているわけです。
武藤事務総長の立場を考えると、これらの発言は一応
納得できるものだとは思います。
特に「不正」である「盗用」に関しては、証明が為されない限り
言及は難しいですし、また「個人」に対してはなおさら、
「慎重な言動」が必要となってくることは致し方ないことだと
思います。
ただ、小保方事件の時と同じように、「性善説」で進んでいるので
そこがちょっと、どうなのかなというところですが、こういった仕事は
「信頼」が最初にあってこそですから、なかなか崩せるものでは
ないんでしょうね。
また、ちょっと話しがずれますが、武藤事務総長の記者会見での
質疑応答を聴いていると、あの共同通信が先日報道した、まるで
北朝鮮による声明のような「ベルギー側への非難声明」を出す
ようなことを、この武藤氏が行うなんて私にはとても思えません。↓
★「五輪組織委、ベルギーのデザイナー側を非難」と共同通信が
第一報を出したのは8月17日16時38分ということを覚えておきます。
共同通信は今だ、この声明を組織委の誰がどこで行ったのか
全く詳細を書いていません。
共同通信は日頃から日本を貶めるような記事を散々書いて
いますし、また安倍政権を敵対視していますから、恐らくは
この両方を目的として記事を書いたのだと思います。
組織委を十把一絡げで叩くことは、このように利用されるので
気をつけなくてはいけないと思います。
あくまで、「誰が信用ならないのか」をじっくり見極めなければ
いけないと思うんです。
もし「不正」があったのなら、誰がどこでどのように行ったのかを
冷静に見なくちゃいけないと思います。
今回の記者会見を通しては、元電通で、今回、IOCとの窓口にも
なっている槙マーケティング局長がどのような立ち位置なのか、
信頼してよいのかどうか、それが私にはわかりません。
そして審査委員長だった永井一正の発言は
最初から最後まで色々と矛盾しているのと、兎にも角にも
あの佐野の原案をここまで大絶賛していることが非常に不可解
だとやっぱり思ってしまいます。
そのものすごい絶賛発言をピックアップしました。↓
【永井一正審査委員長】
実は先ほど、槙さんが言われたように、点数の多少は相違が
あったんですけども、それはもう、ほとんど差別がないくらい、
この3点っていうのは非常に力作ですし、それぞれが
オリンピック・パラリンピックへの参加の意欲、そして、
どうしてもこれをやりたいというような意欲に満ちた作品
だったわけです。
その中から、その佐野さんの作品が選ばれたわけですけれども、
やはり、これはアルファベットを基準としてるわけですけれども、
特に東京オリンピックの場合はそうですけれども、やはり、
それだけに僕なんかは少し、既視感っていうか何かが少しは
あったんですけれども、それにもまして、やはり、ひとつの強さって
いうか、すっきりしたものがあるっていうことと、それから、
亀倉雄策さんの東京オリンピック、私の
札幌冬季オリンピックを、リスペクトというか、
そっから、ずっとここまで至る日本らしさと、同時に、
ひとつの強さっていうか、インパクトの強さがやはり、これが
一番優れているんだろうかっていうことで、これに決まった
わけです。
ほんとに、選考委員8人がそれぞれ意見を出し合って、
ベストを尽くして、議論を尽くしたっていうことで、
終わったあと、非常に爽快感があったという気がするわけです。
ですから、1964年の東京オリンピックの、わたくしも
コンペに参加し、あの亀倉雄策さんの、わたくしが落ちた
ことも忘れて、あれこそまさに東京で、日本で開かれる
オリンピックだっていうふうに、目からうろこっていうか、
これぞまさにそうだっていうふうに思ったわけですけれども、
それを継承して、これは8人のコンペで、札幌冬季オリンピックを
わたくしがデザインしました。
そして、それをさらに継承した形で、佐野さんのが
いちばん、やはりその継承度っていうか、そういうものも含めて、
優れていたと。
それと同時に、展開例っていうのが非常に優れていたって
いうことだと思います。
最初から、パーツっていうのはまったく動いてないわけですよね。
たしかに途中のところにひとつパーツが増えて、円が強調された
という課程はあるんですけれども、結果としては、まったくパーツは
動いただけであって、そして、やはりイメージは変わらないで、
それと、パラリンピックとの整合性っていうのが、最初よりも
ずいぶん良くなったというようなことで、これに収まったわけ
ですから。
もちろん、厳格にいえば最初とは違うんですけれども、
パーツの動かし方っていうことと、よりそれが精緻化され、
ひとつの世界を表現する上において、進歩した。
ですから、組織委員会とのいろんなやり取りの中で、彼自身も
非常に時間をかけて、その前も時間をかけてるんですけれども、
それ以上に時間をかけて、非常に一生懸命、デザインを
したっていう成果が、ここに出てるんじゃないかというふうに
捉えてます。
永井審査委員長は他にも、自分の作った札幌冬季五輪のマークは
3分割で縦横に柔軟に変化させることが出来たが、佐野のエンブレムは
9分割で更に様々な展開が出来る、などとこれまた大絶賛していました。
この永井という人は、
これが実は、日本の1964年の東京オリンピック、そして
わたくしの札幌冬季オリンピック、そして、今回の2020年の
東京オリンピックと、非常に、こう、順次、時代を追って、
それぞれの先端をいっているということです。
こんな風にやたらと自分の札幌冬季五輪マークを
自画自賛的に持ち上げてくるんです。

永井審査委員長の説明時に画面出された過去3代の五輪マーク。
槙マーケティング局長による最初の経緯説明においても
原案から、中央に印象強く配置されておりますこの
黒いコラムは、すべての色が集まりますと黒い色に
なるということから、ダイバーシティを表すと。
などという佐野の原案に対する説明が為されています。
黒は、ネガティブなイメージが非常に大きい色ですし、
黒色は「色を混ぜるときに失敗して黒になった」という
ネガティブな結果によって生じるものであって、決して
「全ての色が集まったもの」というようなポジティブな
もので見ることは殆どないと思うんです。
いわば、黒色を見て「色の集合体」と感じる人も殆どいないと
思いますし、そもそも
「黒色」→「色の集合体」→「ダイバーシティ(多様性)」
などという発想を一般人は殆どしないと思うんです。
だから、この説明を聞いてると何か無理矢理こじつけて
いるような、「後付け」のイメージ作りをしているように
感じてしまいます。
また、
この隠された円、大きな円が、1964年の東京大会への
オマージュにもなっているというものでございます。
などと言う言葉が出てきましたが、実は佐野の原案の
発表のときの最初の「褒め言葉」はなんと、
佐野さんの案は当初案より、会場装飾や、グッズ類への
展開案が、素晴らしく充実しておりました。
これなんです。
過去の五輪マークへのオマージュ(敬意)は、元々ないし、
また彼らの言うコンセプト(概念)というのは唯一、この「展開」で
あって、佐野の原案のエンブレムの形そのものが
何を表すのかということには何の言及もないんです。
本当に不可解です。
以前の記事にも書きましたが、招致ロゴの「桜のリース」では
リースの形そのものに「再び戻る」という意味があり、そこに
込められたものは、スポーツを通じてこの国に勇気と活気を
取り戻したい、東日本代震災からの復興の証として迎えたい
という気持ちがとても強く表現されていましたし、それを国民も
共有できたからこそ今でも多くの支持が集まっているのだと
思います。
また、震災時、世界中から受けた暖かい手に、
「あの時はほんとうにありがとう」
と御礼を伝えられる、その絶好の機会が東京五輪でも
あり、桜のリースでその御礼の気持ちを込めたお出迎えが
できることもとても大きな意義があると思います。
でも佐野の原案にも、さらには決定案にもそんなこと
微塵もないんです。
マーケティングにおける多彩な展開を見ても、桜のリースの
ようなデザインのほうが、佐野のアルファベットロゴデザイン
なんかより断然優れているはずですよね。
外国人は特に「日本らしさ」が出ているものを好むわけですから。
佐野のは単に積み木みたいにごろごろ転がせるということだけが
唯一の特徴なんじゃないんですか?
とてもエンブレムの形そのものが心を引き付けるものとは
思えないんです。

記者会見で実際に出てきた原案の「展開例」の写真。
しかし、本当に全うな審査であったのなら、ここまで国民の
気持ちと乖離したデザインを選ぶって、いったいどういうこと
なのか?と思いますよ。
なんか一般大衆がすぐに理解できるようなデザインなんか
いらない!とでも思ってるんでしょうか?
この佐野の原案からいったい何を読み取れというんでしょうか?
しかも、2回の記者会見で伝えられた「デザインに込められたもの」は
全て「後付け」であったことも佐野の原案を見てはっきりと判りました。
結局、佐野の原案には、2020東京五輪に対する気持ちなんか
何にも込められてなかったんですよ。
そして、2020東京五輪に何の思い入れもない佐野が、
実は様々なパクリをやっていた事実が発覚したことは、
もう最初に書いたアギーレ元日本代表監督の契約解除と
同じ意味を持つようになったと言えると思います。
アギーレはまだ日本代表に対しては真摯に向き合って
くれてた分、正直残念なところがありました。
でも佐野にはそういったことさえこれっぽっちも思えないです。
原案を見せられてから特に。
また、アギーレの契約解除を決定した日本サッカー協会も
「苦渋の決断」だったのは確かです。
ただ、そもそも疑惑の既に出ていたアギーレと契約したことに
甘さがあったことは批判されても仕方がなかったですよね。
世間の目は、そうやって日本サッカー協会にも厳しかった。
今回は、永井一正はじめ審査員の異常なまでの「佐野推し」が
目の前に明らかになって、佐野だけでなく、審査に関わった
連中が疑惑の目に晒されるのは致し方ないんじゃないかと
思います。
組織委員会はいつまでも「性善説」でいると、本当に
小保方事件の時の理研と同じ立場になってしまうと
思わなくてはいけないと思います。
とにかく、佐野に対してはもう信用してませんし、
これからも信用できないです。
もう、訴訟の結果いかんによって国民の気持ちが変わる
などということもないと思います。
組織委員会も、早い段階での「決断」を見せるべきでは
ないかと思います。
デザイン界も当然全てが腐っているわけではないと思います。
小保方事件の時は、科学研究に携わる人たちが大勢
必死で「小保方不正」について発信していました。
危機感があったんだと思います。↓
★カテゴリ:小保方論文不正問題と倫理観
今回は、デザイン界はどうするのでしょうか・・。
東京五輪はデザイン界の力がこれからも必要ですよね。
でも、東京都の観光ボランティアの制服といい、今回の件
といい、見てると不安で仕方がありません。
と同時に私は下記記事でも書いたとおり、決して全てに
失望してるわけではないんです。
★2020年の東京五輪は、「日本人の思い」が込められた
「桜のリース」の五輪エンブレムで迎えたい!
どうか真摯な気持ちで、あの桜のリースに込められた気持ちを
いつまでも持って、2020東京五輪成功のためにデザイン業界
はじめ建築関係の方たちも頑張って欲しい!と応援したいんです。
どうかこの気持ちを踏みにじらないでください。お願いします!
そして、
2020東京五輪エンブレムは「桜のリース」に戻して欲しいです。
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