2020年の東京五輪は、「日本人の思い」が込められた「桜のリース」の五輪エンブレムで迎えたい!!
- 2015/08/14
- 07:32
2020年の東京五輪招致を公で表明したのは、
2011年6月17日。
東日本大震災の3ヵ月後でした。
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/ARC/20121031/HATSUGEN/SHOUSAI/30l6h100.htm
【平成23年 第二回都議会定例会 石原都知事所信表明】
(2011年(平成23年)6月17日 東京都HPより抜粋)
■オリンピック・パラリンピック日本招致
次に、オリンピック・パラリンピック招致について申し上げます。
1964年10月10日、世界中の青空を持ってきたかのような
快晴の下、神宮の杜に聖火が灯りました。
戦後の焼け野原から立ち上がり、国際社会に復興した姿を
示した瞬間でありました。
世界史的にもかつて無い今回の大震災からの復興は、
戦災からの復興にも匹敵する苦難の道程でありましょう。
しかし、必ずや立ち直り、9年後の日本の姿を披瀝する
ならば、世界中から寄せられた友情や励ましへの
何よりの返礼となるに違いありません。
次代を担う若者に夢と希望を贈るためにも、日本開催を
目指す松明を消さずに灯し続けることは、我が国の将来に
とって大きな意義があると思います。
招致成功には、国やスポーツ界、経済界など国家の総力が
結集され、気運が盛り上がることが不可欠であります。
都民・国民の皆様にも是非、被災地をはじめ広く日本全体と
スクラムを組んで東京にオリンピック・パラリンピックを再び
招致することを、考えていただきたいと思います。
招致に向けて、日本が一つになることを強く期待しております。
あの東日本大震災後、大量被ばくの恐怖の中、
福島第一原発で放水活動を行った東京消防庁の
レスキュー隊。
その指揮官として報告を受けた石原慎太郎都知事が
115人の隊員の前で、涙を流し、言葉を詰まらせながら
伝えた言葉。
「みなさんの家族や奥さんにすまないと思う。
あぁ、もう言葉にできません。
本当にありがとうございました。」
「まさに命がけの国運を左右する戦い。
生命を賭して頑張っていただいたおかげで、
大惨事になる可能性が軽減された。
国民を代表して御礼を言いたい。」
私は石原さんの「政治のやり方」に対しては今までブログでも
結構批判してきましたが、でも、やはりあの時の石原さんの
涙と言葉は心の底からの思いであったことに全く疑いなどなく、
そして、日本のことを心から思っている政治家であることにも
信頼をしています。
あの時、居ても立ってもいられず懸命に被災地のために
動いていた政治家たち。
全ては無理としても、でも私は、それを出来る限り見てきた
つもりです。↓
★東日本大震災の津波訴訟に思う。
民主党政権の「政治の不作為」と、それを隠蔽したマスコミの罪の深さに
改めて怒りを覚える・・。
そして石原都知事もその「一人」であったのは間違いありません。
政治手法のやり方などへの好き嫌いは勿論あるでしょうし、
そもそも手法というのは色々あってもそれはいいと思います。
そして、その手法は時には失敗することもあるし、その時には
批判も受けなければいけないことはあります。
残念ながら。
でも、絶対に政治家として外れてはいけないのが、
「日本のことを、心から思っている政治家である」
ということだと思うのです。
今、新国立競技場の件で、蓮舫始め、民主党の議員らが、
全てを安倍政権の責任にし、関係閣僚の更迭ばかりを
求めていますが、この件を含め、毎度毎度、民主党は
自分達が自ら問題の大元を作ったくせに、全く責任を
取らないどころか、マスコミと一緒になって自分達の都合の悪い
事実は全て隠蔽し、何もかも自民党や官僚、自治体に責任を転嫁し
押し付ける、ということばかりをずっと続けてきました。
「消えた年金」もそうですし、「労働派遣法改正」もそうです。↓
★日本年金機構へのサイバー攻撃事件を「漏れた年金!」と
猛烈な安倍政権批判へと移行させていくマスコミと民主党、維新の党。
そこに再び「自治労の影」と同じものはないのか?
★「長妻・山井プラン」と民主党政権による「改正派遣法」。~その2~
「年越し派遣村」の影響と自民党の「修正案」。
国民を護ったのは誰だったのか?
11日には、川内原発が再稼動となったのを受けて、
民主党の幹事長でテロ集団「革マル派」と懇意の枝野が、
「政府としての覚悟と責任が全く感じられない」とか、
「到底納得できない」とかぬかして、
猛烈な安倍政権批判をしていますが、2012年7月に、
以前の安全基準で大飯原発の3、4号機を
再稼働した時の経産大臣が枝野自身だったこと、
もう忘れてしまうほど枝野はボケたんですか?
東日本大震災の震災復興費の流用もそうです。
全国のパチンコ店やイオンなどの大型店舗への
節電対策補助金とか、日中友好会館への補助金とか
自分達が散々何食わぬ顔して、流用しておきながら、
その全てを安倍政権のせいにするんですからね。↓
★広島の土砂災害と民主党とマスコミ。人の不幸を利用する連中は本当に許せない。
特に、国民に最も即時的かつ直接的に甚大な被害を与えた
民主党の非常に重い罪というのが、2010年4月、宮崎県の
口蹄疫での鳩山政権と、東日本大震災での菅直人政権での
「政治の不作為」です。
震災9ヶ月前に自民党が提出した議員立法「津波対策法案」は
与党民主党、菅直人政権によって闇に葬られ、
福島第一原発では事故の引き金となるだけでなく、
震災半年前に内閣官房の主導で行ったはずの電源喪失想定の
原子力事故防災訓練をやったことさえ覚えておらず、さらには
住民避難で最も重要だった「SPEEDI」の情報を隠蔽し、
防災訓練でも使われたにもかかわらず「知らなかった」と
ほざいた上に、朝日新聞と共に「吉田調書」で福島フィフティを貶め、
続けて「福山調書」で自己保身と安倍政権批判を展開した
菅直人、福山哲郎らの冷酷、かつ卑怯な所業。↓
★民主党、小西洋之議員の質疑は、マスコミが伝えなかった
「穢れた3年3ヶ月の民主党政権」の醜悪さを再び思い出させる。
★マスコミが全く批判しない、マスコミに護られた民主党議員たちこそが
日本にとって最も危険な連中だ!
これらは絶対に許されるものではないと思います。
ここで最も国民が頭に叩き込んでおかなくてはいけないことは
日本を思う気持ちなどこれっぽっちもない連中
だからこそ、こんな異常な行動を平気で犯すのだと
いうことです。
そして、そういう議員ほど、マスコミから護られ、
テレビで叩かれることは殆どないという事実に
気づいて欲しいと思います。
しかも、このことは「政治家に限らない」のです。
で、なぜ最初に、石原都知事の「2020東京五輪招致表明」の
中身を取り上げたかというと、国民は「東京五輪開催」を、
あれだけ「2016年招致」の時には反対していたにも
かかわらず、何故「2020年招致」では
決定を心から喜んだのか。
その答えが、都知事の表明の中にあると思ったからです。
前回、下記記事を書きました。↓
★2020年東京五輪の「エンブレム」。
「桜のリース」にこそ日本国民の「思い」が込められていたはず。
そして東日本大震災での各国の支援への御礼の気持ちも込められるはず。

この中で、「桜のリースに込められた意味」として
マイナビのニュース記事を取り上げましたが、その中から
特に注目すべき部分をピックアップします。↓
★東京五輪の開催決定! 招致ロゴのデザインにこめられた意味とは?
佐藤可士和に選ばれ、榮久庵憲司の監修を受けた"桜のリース"
(マイナビニュース 2013年9月9日)
この招致ロゴは、2011年11月に発表されたもの。
日本を象徴する花である「桜」がモチーフで、一枚一枚の
花びらが集まって、世界をつなぐひとつの大きな輪となって
いるような"桜のリース"の図案となっている。
日本では主にクリスマスの装飾として知られているリースには
「再び戻る」という意味があり、この桜のリースには
「日本で1964年以来のオリンピック・パラリンピックを開催し、
スポーツを通じてこの国に勇気と活気を取り戻したい」
という強い願いがこめられているという。
また、ロゴの配色には、五輪を象徴する色である
赤、青、黄、緑に加え、東京を表す色「江戸むらさき」を
使用。
ちなみに、この色は、東京スカイツリーの2パターンある
通常のライティングデザインのひとつ「雅」のテーマカラーとも
なっている。
このロゴは、数多くの著名クリエイターに選ばれ、
育まれる形で実現した公募作品だ。
(中略)
また、このロゴの特異な点は、選出後にブラッシュアップが
加えられた点にある。
GKグラフィックス・久田邦夫によるアートディレクション、
そしてGKデザイングループの創設者である榮久庵憲司
による監修の下、島峰さん本人が最終形のデザインを制作したという。
GKといえば、戦後の復興期より60年にわたり、
日本のデザインを牽引してきた存在。
そんな著名なデザイン集団と前途ある学生との協業によって
作られたロゴのデザインには、歴史を次代へ繋ぐ意思が
こめられているように思われる。
この記事や日本オリンピック委員会HPによると、この時の
審査委員会には、あの東京五輪招致のプレゼンでも
スピーチされた五輪招致委員会事務総長の水野正人氏や
熊本のゆるキャラ「くまモン」の生みの親である
放送作家・脚本家の小山薫堂さんが参加していました。
小山薫堂さん、フジの「カノッサの屈辱」(←これ、結構好きでした。)や
「料理の達人」やなどを手がけた「元テレビマン」なんですよね。
昨年10月の産経の記事からです。↓
★情報発信で大切なのは共感を得ること…
「京都館」館長に就任した放送作家 小山薫堂さん
(産経WEST 2014年10月11日)
ふなっしーの人気は芸人的で、テレビ向けの売れ方をしています。
くまモンとはまったく異なります。
~~~~~~~~~~~~~
テレビというのは勝手なメディアです。
飽きられたときは残酷に切り捨てられます。
しかし、実はメディアに出ていないときの方が大切なんです。
先日、くまモンがショートフィルムに出演した際、撮影の合間に
子供たちと触れ合う姿を目にしました。
くまモンのスタッフチームは、常に目の前にいる人を
喜ばせようと考えています。
その積み重ねが現在の人気につながっています。
~~~~~~~~~~~~~
情報発信で大切なことは、共感を得ることだと思います。
たとえ人数が少なくても、強い共感を与えられれば、
人とのつながりを通じて雪だるま式に広がっていきます。
クマもんのパフォを見てると、本当に小山さんが仰ってる
通りだなぁと思いますね。↓
★日本人であることを誇りにして堂々と生きていこう。 自衛隊は日本の誇り! 「くまモン」も!
「くまモン」はご存知の通り、九州新幹線の開業日が誕生日です。
そう、東日本大震災の翌日です。
上のリンク記事でも動画を挙げているんですが、東北の被災地で
頭を垂れて黙祷をするクマもんの背中は、「着ぐるみ」の背中なのに
びっくりするほど「伝わってくるもの」があるんですよ。
そして、その生みの親である小山さんもまた、現場のスタッフの
頑張りや努力に目を向けられる方なんだなぁと改めて好感を
持ちました。
まぁ、「くまモン」は認知度抜群なので、今更説明するまでも
ないと思いますが、もうひとつの「GKデザイングループ」に
関しては、デザインに興味のある方なら既にご存知なんで
しょうけれど、私のような一般ピーポーにはあまりぴんと
来ません。
で、まずはGKグラフィックスの久田邦夫氏って
どんな方なんだろうと思って調べてみたら、ちょうど東京五輪に
ついてスピーチされてる動画が在りましたのでご紹介します。
2013年10月31日、「東京デザイン2020フォーラム」の動画です。↓
★東京デザイン2020 オープンセッション #15 久田邦夫(アートディレクター)
★ロンドンのロックスピリッツに学びたい 東京クリエイティブコミュニケーション
この久田邦夫氏のお話を聴きましたが、いやぁ、とても好感が
持てました!
「皆さんはどんなオリンピックにしたいですか?」
との問いかけから始まって「ビジョン」について語っています。
今、皆さんに考えていただきたいのは
「どんなオリンピックにしたいか」。
その「どんなオリンピックにしたいか」が出てくれば、
「どんなデザインをしていけばいいか」という答えが
出てくると思います。
そのためには我々は「ビジョン」を作る必要があります。
あくまでも私が考える日本のビジョンの候補ですけども、
世界に誇れる日本のビジョンの一つは 「粋」だと思っています。
「粋」で「イナセ」な日本の文化、この「心意気」で
世界の人々をおもてなしする、そんなオリンピックが開催できたら、
素敵なオリンピックになるのではないでしょうか。
このビジョンを具現化するためには仕組みづくりが必要となります。
我々デザイン界も「縦割り」から「横割り」のコミュニケーションを取って
共にビジョンを共有していく。
そしてデザイン界がひとつにまとまり、更に音楽、アート、工芸等も
一緒になってクリエイティブコミュニケーションとして世界に発信して
いく、そういうようなスタイルを先ず作っていく必要があるんでは
ないかと思っています。
1964年に東京オリンピックが開催されたとき、諸先輩方は
とてもお若く、皆さんはその後、日本のデザイン界をここまで
支えてきた方々だと思います。
これから半世紀後、50年後の日本のクリエイティブを
組織していくために、いい形を作っていくために、今回の
オリンピックを契機に、諸先輩方の意見も頂きながら、
是非若者にもチャンスを与えてあげて、
そして共に新しいクリエイティブを作っていく。
そんな仕組みづくりが出来たら、とてもいいオリンピックに
なると思っています。
みなさんもどんなオリンピックにしたいか考えてください。
素敵なオリンピックになるよう、皆さんの心持ちと、われわれの
力を併せ持って、クリエイティブの結集を図りたいと考えています。
すごく熱い思いが伝わってくると思います。
なんというか、「お人柄」もよく伝わってきますよね。
>是非若者にもチャンスを与えてあげて
この言葉通り、「桜のリース」ロゴを作成した美大生の
感性を十二分に引き出して、あのロゴをあそこまで
素晴らしいものにしてくれたのですから、まさしく
「有言実行」されてるなぁとも思いました。
ロンドン五輪が「ロックスピリッツ」を掲げてたって言うのも
面白いなと思いましたねぇ。
それと改めて思うのは、やはり今まで何度も何度も書いて
きましたが、麻生政権の時にマスコミと民主党によって
潰されてしまった「国立メディア芸術総合センター」。
あれが出来ていればなぁということです。
ここがあれば、日頃から様々なジャンルの「横のつながり」が
出来ていたのではないかとやっぱり思います。
もうホントにホントに勿体無い!!!と思うんです。↓
★「国立メディア芸術総合センター」構想の復活を!!
ちなみに、このフォーラムで久田氏に続いて話されている
プロダクトデザイナーのムラタ・チアキ氏も
「式年遷宮に学ぶ、東京オリンピック2020のグランドデザイン」に
ついて語ってますので、これも是非聴いてみてください。
なかなか面白いですよ。↓
★東京デザイン2020 オープンセッション #16 ムラタ・チアキ(プロダクトデザイナー)
http://tokyo-design2020.jp/vol1/murata.html
【式年遷宮は世界に誇れるグランドデザイン】
《ムラタ・チアキ(プロダクトデザイナー)》より
日本のオリンピックというものを考えたとき、
かつてあった国家事業として、式年遷宮が
思い浮かびました。
天武天皇が考案をしたのですが、奥さんの持統天皇が
亡くなられたときに行ったのが第1回目。
そこから1300年が経って、今年やっと63回目が行われたのです。
日本が生んだ最古の仕組みが、まだ続いている。
こういう大規模な国家事業が存続できたのは、世界に誇れる
グランドデザインがあったからです。
第1回目のお祈りから、苗を植えて、木を育て、御杣山(みそまやま)
という木を切り出すための山ができます。
百年杉、四百年杉を切り出して、組み立てて、20年ごとに社ができる。
そのときに解体した前の社が鳥居になり、廃材はお札になっていく。
そういったリサイクルの仕組みが完璧にできていました。
式年遷宮が持っているサステナブルな考え方は、日本の根底に
ある美学であると思います。
(※《サステナブル》:環境に多大な負荷を与えず、持続可能な状態であるさま)
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが、亡くなる前に言った言葉が
あります。
これからは、華美ではなく、恒久の美に価値を置く時代が
来るだろう。
彼はそういった美が好きで、日本に住み着いたわけですね。
日本固有の美学をぜひ世界の隅々に知らせたい、それが
彼の思いだったのです。
私は今回のオリンピックが、サステナブルな美学を世界に
啓蒙していくチャンスだと思っています。
日本の心を体感できる「体感都市・東京」を実現できれば、
またとない機会になると思います。
言葉でもてなすのではなくて、空間と間合いでもてなす。
例えば「縁側」というものは、自然と一番面している場所という
意味です。
そうした空間のあり方を伝えていければ、今回のオリンピックは
成功すると思っています。
気持ちを落ち着かせて「日本を見つめる」ことも、ビジョンを
決めていく上では重要なことだと思います。
また「想像を掻き立てられる」「イメージを湧かせる」というのは、
こんな感じのことなんだろうなと思ったりします。
ムラタ氏は大阪の豊中市にある「ハーズ実験デザイン研究所」の
代表取締役で、「行為をデザインする」というコンセプトによる
METAPHYS(メタフィス)というものづくりブランドを開発している
そうですが、これもまた面白いです。↓
★METAPHYSのデザインビヘイビア
「行為のデザイン」によって導かれるカタチ
久田氏もムラタ氏も、東京五輪について真剣に、また熱く
語っているのがとても印象的で、「日本への思い」というものが
ふつふつと感じられて、デザイン界にもこういう方たちがたくさん
いらっしゃるんだなと、ちょっとデザイン界に対して、ほっとすると
同時に、日本のデザイン界に大きな期待を寄せる気持ちも自分には
湧いてきました。
なにか、テレビや映画界では、おどろおどろしいものや、暴力的な
もの、エロ系や、ただただ奇抜的なものなんかが、やたら注目され、
もてはやされていることに、本当にうんざりしていましたから。↓
★在日と反日サヨクに乗っ取られた日本の映画界。
暴力と性描写があれば何でもOKの風潮が気持ち悪すぎる 。
ここで、ついでに今回の東京五輪エンブレムの審査員で、
佐野研二郎の(パクリほぼ決定?)デザインを選んだ
責任者の一人、民主党のロゴマーク作成者、浅葉克己の
スピーチもあくまで参考にどうぞ。↓
★youtube動画:東京デザイン2020 オープンセッション #20 浅葉克己(アートディレクター)
★「スポーツをしよう」浅葉克己

民主党ロゴマークを作成した浅葉克己。
20人のデザイナーが2020東京五輪について語っている
「東京デザイン2020フォーラム」の内容は、こちらから
見ることが出来ます。↓
★東京デザイン2020フォーラム 「20人のデザイナーが2020年の東京を語る」 2013年10月31日
前回の記事でも書いたんですけど、
「商業ロゴ」と「五輪エンブレム」は、全く次元の違うものだと
いうことを履き違えてしまうと、とんでもないことになると
思うんです。
そして、それをしっかりと認識するには「日本への思い」が
なければ無理なのではないかと思うんです。
その思いが薄ければ薄いほど、「商業的」へと走っていく。
「ビジョン」というのは本当に大切だと、久田氏やムラタ氏の話を
聴いて改めて思います。
そして、もうお一方、榮久庵憲司さんについでです。
★工業デザインの第一人者 栄久庵憲司さん死去(NHKニュース 2015年2月9日)
【工業デザインの第一人者 栄久庵憲司さん死去】
(NHKニュース 2015年2月9日 5時59分より)
さまざまな商品のデザインやロゴマークを生み出し、
工業デザインの第一人者として世界的に知られた
栄久庵憲司さんが8日、東京都内の病院で亡くなりました。
85歳でした。
「一般の人はね、形が出来ない。自分で。
思っていても出来ない。
変わったものが欲しいと思ってるだけで。
それが出来るのがデザイナー。
これがプロフェッショナル。」
栄久庵憲司さんは昭和4年、広島市の寺の住職の
長男として東京で生まれ、戦後、16歳のときに
焼け野原となった広島の街で進駐軍の四輪駆動車の
力強い形などを見て、工業デザイナーを目指すように
なりました。
東京芸術大学を卒業後、工業デザインの会社
「GKインダストリアルデザイン研究所」を設立して、
ビジネスの世界にデザインという概念を定着させ、
さまざまな商品のデザインやロゴマークを作りだしました。
このうち、昭和36年に発表したキッコーマンの
卓上しょうゆ瓶は、赤いキャップになめらかな曲線を
描く瓶の形が使いやすく暮らしになじむデザインとして
大ヒットし、今でもこのデザインは変えられることなく
海外でも親しまれています。
また、鉄道の車両やオートバイのデザインも数多く
手がけました。
さらに日本中央競馬会やコスモ石油、それに
コンビニエンスストアのミニストップなどのロゴマークの
デザインでも知られました。
平成元年には名古屋市で開かれた世界デザイン博覧会の
総合プロデューサーを務めたほか、平成10年に設立された
世界デザイン機構の会長も務めました。
栄久庵さんは、こうした功績から日本だけでなくフランスや
フィンランドなど海外の勲章も受章し、工業デザインの
第一人者として世界で高い評価を受けてきました。
栄久庵さんは先月下旬に体調を崩し、東京都内の
病院に入院していましたが、8日午前3時57分、
洞不全症候群のため亡くなったということです。
「道具というか物というのは奴隷的に扱っちゃうと
非常に貧しいものになっていく。
つまり、道具があることによって人が繋がるとか
道具によって人と自然も繋がっていくんだ
という、そういう位置付けに道具がある。」
栄久庵さんが設立した会社のHPです。↓
★GKデザイングループの作品(歴史とプロジェクト概要)(GKデザイングループHP)
↑上記ページでは、GKが今まで手掛けてきた作品を
各年代ごとに見ることが出来ます。
また、下記ページでは商品パッケージやブランドロゴ、
環境・公共物や、印刷物など、ジャンルに分かれて
見ることが出来ます。↓
★GK Graphics 「WORKS」(GKグラフィックス HP)
上の動画で最初に紹介した久田邦夫氏も所属されている
「GKグラフィックス」のデザインって、私達の身近なところに
ある「見慣れたもの」もたくさんあって、もう見てるだけで、驚きと感嘆と
「面白い!」という気持ちが湧き立ってきます。
「SEA BREEZE」とか

「頭痛にバファリン」♪とか、

「タイガー魔法瓶」とか、

「えっ!!あれも!?これも!?」
てな感じです。
あと公共交通機関で、かっこいいなぁと思ったのが
「富山のライトレール」。↓
★富山ライトレールwikipediaより

しかも、どれもこれも洗練されてて、色もきれいで。
いやぁ、改めて見ると本当にすごいです。
もう日本社会には欠かせない存在である、このデザイン会社を
立ち上げた榮久庵さんの原点が、原爆投下後の広島であること
にも驚きでした。
http://www.cinra.net/interview/2013/07/26/000000.php
【日本デザイン界の巨匠であり仏僧 榮久庵憲司インタビュー】
(cinra.net 2013年7月26日)より
榮久庵さん:
僕が広島市内から20kmほど離れた江田島の海軍兵学校に
入学したのは昭和20年、終戦の年でした。
戦時中の広島は普通の町だったけれど、原爆が投下されて
終戦後に帰ってみたら町がまるごと消えてしまっていた。
家も何にもない。
何にもないというのは私の表現で言うと「凄惨な無」。
それまで無というのは、霧のように透明感のある不快な感じが
しないものを考えていた。
でも、広島で目にしたものはただただ凄惨だった。
自転車が焼けている、自動車が焼けている、電車が焼けている、
家はもちろんない。
そして一望千里何もなくて、その先に瀬戸内海が見えた。
その凄惨な無に対して、僕が何を感じたかというと
「『有(ゆう)』が欲しい」
だった。
つまり「有る」が欲しいと。
ジャングルに入って、何もない所に急に
ピース(煙草)の箱でも落ちていたとしたら
多分ホッとするじゃない。
そういうことで無の凄惨さを消していきたいと思った。
有を求めるために、物の世界という帝国と
契約をした瞬間でした。
★以下写真 スポニチ Sponichi Annex 2015年2月9日記事より

栄久庵憲司さん

栄久庵さんデザインの「キッコーマンの卓上しょうゆ瓶」

栄久庵さんデザインのヤマハ発動機のオートバイ「VMAX」

栄久庵さんデザインの秋田新幹線「こまち」
★成田エクスプレス wikipediaより

栄久庵さんデザインの成田エクスプレス
http://www.seishikan-tokyo.com/newspaper01.htm
【びんご人国記:インダストリアル・デザイナー 栄久庵憲司さん】
(2002年9月28日 中国新聞)より
■仕事場にしている東京・目白のマンションから、JR東日本の
成田エクスプレスが見えた
最近のお気に入りは、白地に赤車体のあれですよ。
成田で日本に最初に降り立った外国人を「ようこそ日本へ」と
日の丸で迎える象徴。
九七年に開業した秋田新幹線「こまち」は、白い車体に
横一筋の紅の帯線。
自分が生んだ「子」がこんなに美しかったとはね。
■栄久庵の著書に「幕の内弁当の美学」がある。
卓越した日本論でもある
日本のデザインにはオリジナリティーがないといわれた。
でも幕の内弁当は、コンパクトな中にもさまざまなモノが
集約され、新しい風景をつくっている。
互いに邪魔をせずに、全体をつくるアレンジの妙も。
この幕の内弁当の美学が、形を変えて世界に誇る精密機器に
なっている。
モノづくりの哲学は「最少材料で最高効率」「最小投資で最大効果」
ではないか。
★amazon.co.jpより
【幕の内弁当の美学―日本的発想の原点】
(朝日文庫) 文庫 – 2000/1 栄久庵 憲司 (著)

「幕の内弁当」のふたを開けたときの外国人の驚きようと
いうのはすごいそうです。
日本人が当たり前すぎて気がつかないものを、外国人が
「実はすごい!」と教えてくれるものがたくさん在るんですよね。
で、榮久庵 さんは、2016年東京五輪招致のときにも、招致ロゴを
担当されていました。
「水引」のロゴです。↓

榮久庵さん作成の「2016東京五輪」招致ロゴ
http://www.joc.or.jp/column/sportsandart/200802.html
【今の時代だからこそ求められる「結び」のこころ 榮久庵 憲司】
(日本オリンピック委員会HP) より
日本人にとって、ロゴマークは感覚的に割合とらえやすいものです。
代表的なところでは菊の御紋、葵の御紋というように、日本の
家庭には伝統的に家紋があります。
そして、お祝い事があれば、家紋を背中に染め出した着物を
身につけるなど、冠婚葬祭と紋は切っても切れない関係に
あります。
また、武士の世界には、戦国武将の真田幸村の六文銭をはじめ、
戦の時に使われる旗印があり、誰もがそういったものを見慣れて
います。
私は幼少の頃、寺に育ちましたが、寺には象徴的なモノが
たくさんあります。
それは神社も同じで、鳥居、注連縄と、日本人はシンボル的な
ものに囲まれて生活してきました。
だから、ロゴを作るといってもわざわざ難しく考えることもなく、
かなり自然な感じで対しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本には天の御柱を伊邪那岐(いざなぎ)の尊が左回りに、
伊邪那美(いざなみ)の尊が右回りに回り、二人がぶつかり、
“結ばれ”、日本の島々ができたという国作りの神話があります。
一方、水引は西暦600年頃、小野妹子が隋(中国の王朝)からの
帰りに答礼としていただいた品物に紅白の紐が結ばれていたのが
始まりだと言われます。
以来、水引はお祝い事や御礼の品を差し上げるときに、自分の
心を伝える一つの形として使われてきました。
そこで、私は神話の時代から日本人の中にある「結び」の心を、
日本で象徴的に使われている「水引」を使って表現しました。
それが5本の水引をリボンの形に結び、五輪カラーにした
招致ロゴです。
しかし、結ぶのは大陸と大陸、国と国だけではありません。
部族と部族、一人ひとりが結び合う。
人と人、日本と世界、子供たちと未来を結ぶ。
あらゆるものを結び合い、一つにしたいとの願いが込められています。
栄久庵さんの
「道具というか物というのは奴隷的に扱っちゃうと
非常に貧しいものになっていく。」
という言葉からも分かるように、なんというか、
「ものづくり」に携わる方たちがよく言われる
「魂を吹き込む」という言葉がぱっと頭に浮かぶような内容だと思います。
そして、そういう強い思いのものというのは、
小山薫堂さんが仰ってる
「情報発信で大切なことは、共感を得ることだと思います。」
という言葉にも通じていくような感じがします。
栄久庵さんは「インダストリアルデザイン」、いわば
「工業デザイン」分野を確立した人とも言われていますが、
面白いことに、以前安倍総理のスピーチで取り上げられた、
「明治日本の産業革命遺産群」に大きく関わった「長州ファイブ」
のことを思い出しました。↓
★「明治日本の産業革命遺産群」と「長州ファイブ」。先人の思いは今に繋がっているか?
この「明治の産業革命」では明治政府の中でも特に
「工部省」が主導していったわけですが、その初代の
「工部卿」が「長州ファイブ」のメンバー伊藤博文。
2代目も同じくメンバーの井上馨。
3代目はメンバーではないものの長州藩の藩校「明倫館」の
出身で松下村塾の門下生、山田顕義。
そして4代目が、同じくメンバー山尾庸三という、そうそうたる
メンバーによって進められてきました。
その山尾庸三の言葉に、
>「仮令当時為スノ工業無クモ人ヲ作レバ其人工業ヲ見出スベシ」
「たとえ今、日本に工業がなくとも、人を教育すれば、
その人が工業を生み出すであろう」
という言葉があるんです。
で、その言葉通り、1871年(明治4年 )8月14日に
工部学校開設準備のため工業士官を養成する工部寮が
設置され、庸三は工学頭に任命されました。
この工部寮はやがて 工部大学校となり、
帝国大学工科大学→東京帝国大学工科大学、
そして戦後、1949年(昭和24年)、東京大学工学部と
なっていくわけです。
庸三はさらに、
「ものを造ったなら、そのものは美しくなければならない」
として、「工部美術学校」の設立を提言。
1876年(明治9年)に設立された工部美術学校は、
東京美術学校となり、1949年(昭和24年)、東京芸術大学と
なって今日に至るわけなんです。
東京芸大が実は、いわば「美しい工業デザイン」を求めて
創られたというのは私にとってはすごい驚きというか、
なんとまぁ、すばらしいセンスなんだろうかと、本当に
驚きました。
この記事を書いたとき、私は
「先人の思いは今に繋がっているか?」
と書いたんですけど、今の「ものづくり日本」の礎を
築いたともいえる明治時代の「長州ファイブ」のメンバーの
「スピリット」が、ちゃんと今も続いてるんだと、栄久庵さんはじめ
今回取り上げたデザイナーさんたちの話を聴いて強く感じた
次第です。
いや、本当にすごいなと。
上で「商業ロゴ」と「五輪エンブレム」は全く次元の違うもの
だと思う、と書いたんですけど、この明治からの「スピリット」を
最初から持っている人たちにとっては、当然どちらも大切な
ものに違いないだろうなと。
じゃあ何が違ってくるかといえば、そこにはやっぱり
「日本への思い」
というものが深く関わってくるんだと思うんですよね。
「桜のリース」が何故今もって、高い支持を得ているかといえば、
やっぱりこの「日本への思い」がみんなに「共感」として
伝わってくるからだと思うんです。
東日本大震災からの「日本への思い」。
2020年東京五輪招致決定であれだけ国民が喜んだのは、
とにもかくにもここに帰結すると。
そしてその気持ちは今もってなんら変わらない。
だから「桜のリース」で2020年を迎えたい。
というか、それが当然だと私なんか思っていましたから。
栄久庵さんは、今の五輪エンブレムの決定を受けて、
どんな思いを持っていたんだろうか・・。
そして今の穢れた騒動を見てどう思ってらしゃるだろうか・・。
そしてデザインの現場で一生懸命頑張っている人たちにとって、
今回の件はまさしく、小保方事件の時に多くの科学研究分野に
日々一生懸命に携わる人たちが被った苦しい思い、失望感を
与えてしまっているのではないか。
★カテゴリ【小保方論文不正問題と「倫理観」 】
そしてあの時の「日本の科学の信頼失墜」と同じ事態に
成りかねない今回の問題。
本当に悔しい思いがします。
こうやって見てくると、改めて思います。
「日本への思い」がロクにないような人に、東京五輪の
プロジェクトに絶対に関わってほしくない!
そして日本を毀損し、日本を貶めるような人たちには
絶対に関わらせてはいけない!
TBSなど、東京五輪を放送する資格なんか全くないと
私は思っています。
東京五輪は、東日本大震災からの「日本人の思い」を
持ち続けている人たちによって作られるべきだと。
その「日本人の思い」「日本への思い」を強く持った美大生と、
それを見守った榮久庵さんたちによって見事に「日本人の思い」が
形作られた「桜のリース」をどうか復活させてください!
どうか「桜のリース」で東京五輪を迎えさせてください!
お願いします!
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