朝日新聞がスクープ連載している「吉田調書」。
これに対し、まるで準備していたかのような
「連動した動き」があちこちに見られます。↓
吉田調書など開示求め、国を提訴へ 東電株主訴訟の原告ら 朝日新聞デジタル : 2014年06月05日 08時33分 【吉田調書など開示求め提訴へ 東電株主訴訟の原告ら】
(朝日新聞デジタル 2014年06月05日 08時33分 )
東京電力福島第一原発事故を調査した
政府事故調査・検証委員会が聴取した
吉田昌郎所長(故人)ら772人分の調書の公開を求め、
東電株主代表訴訟の原告らが国を相手取り、
東京地裁に行政訴訟を起こす方針を固めた。
近く調書が保管されている内閣官房に開示を請求し、
非開示決定が出ればただちに提訴する。
政府事故調は2011年5月に設置。吉田氏ら計772人を
聴取したが、誰を聴取したのかさえ明らかにしていない。
吉田氏らの調書や関連資料は現在、内閣官房に保管されている。
政府事故調は非公開で聴取した調書について
「必要な範囲で開示する」としていたが、これまで公開されていない。
菅義偉官房長官は
「ヒアリングは非公開を前提に任意の協力を頂いて
行ったもので吉田氏を含め公表しない」
としている。
原告代理人になる海渡雄一弁護士は
「吉田調書の報道によれば、東電の指揮命令系統は
崩壊していたといわざるをえない。
吉田調書だけでなく、関係者の調書は事故原因の
解明と責任の追及に欠かせない。
政府は個人情報の処理など開示のルールを定め、
原則としてすべて公開すべきだ」
と指摘。
歴代内閣が公開しなかったのは「不作為による情報の
隠蔽(いんぺい)」と批判する。
3年前の震災時。
「原子力災害対策特別措置法」上の「緊急事態宣言」を
出した菅直人。
この「宣言」をしたということは、総理大臣がトップになり、
東京電力はその下に入ったこととなる。
「東電が~」という「excuse」は全く成り立たない。あの時の「このこと」さえ今以って、
全く「無視」をされているのです。
そして、「特別秘密保護法」とわざと結びつけようとする
週刊朝日での余りに稚拙なコラム・・・。↓
恥ずかしげもなく「日刊ゲンダイ」の記事まで引用する始末。
【室井佑月「『吉田調書』流出で安倍サイドの洗脳はぶちこわし」〈週刊朝日〉 6月5日(木)11時37分配信】【室井佑月「『吉田調書』流出で安倍サイドの洗脳はぶちこわし」】
(〈週刊朝日〉 6月5日(木)11時37分配信)
漫画「美味しんぼ」騒動や「吉田調書」の流出が発端となり、
原発事故問題の深刻さが改めて浮き彫りとなっている昨今。
作家の室井佑月氏は本誌の連載で、国が情報を開示しないことで
「国民を洗脳している」と指摘する。
* * *
先週のこの原稿にも書いたけれど、安倍総理は「美味しんぼ」騒動を
踏まえて、「政府としては、根拠のない風評を払拭していくためにも、
しっかりと正確な情報を分かりやすく提供していく」と発言した。
本当にそうしてくれるんでしょうね? 望むところだ、と思っていた。
しかし、5月23日付の「日刊ゲンダイ」に、
「安倍官邸が激怒! 福島原発『吉田調書』流出で“犯人捜し”」
という記事が出ていた。
安倍首相とその周辺の人達は、朝日新聞がスクープした
「吉田調書」にカンカンだというのだ。
「吉田調書」とは、朝日新聞によれば、原発事故時の
福島第一原子力発電所所長(当時の現場の最高責任者)の
吉田昌郎氏が政府事故調査・検証委員会の調べに対して答えた
「聴取結果書」である。
今まで非公開にしてたらしい。
A4判で四百数十ページというその調書は、全7編で構成されていて、
内容がとてもハードだ。
事故直後に所員の9割にあたる約650人が吉田所長の
待機命令を無視して“逃亡”した。
高濃度の放射性物質を放出するベントの準備を密かに進め、
住民が大量被曝する恐れがあったこと……。
国は福島原発事故の話題を、「風評被害」などという
小賢しい言葉を使って、国民が忘れるようにし向けてる。
そして実際、結構な数の人間が、国の思惑に踊らされている。
でも、こんなもの(吉田調書)が出て来たら、
少しずつ上手くいきつつある。
国の国民への洗脳がぶちこわしだよな。
だから、安倍サイドはカンカンなんだろう。
「官邸ではいま、『一体誰が朝日の記者に吉田調書を流したのか』と
“犯人捜し”が始まっています。
菅官房長官は『(調書は絶対に)公開しない』と憤然としている。
とくに安倍周辺は、原発は過酷事故が起きれば、電力会社さえも
コントロール不能に陥る――という解説部分が気に入らないらしい。
原発再稼働に突き進む安倍政権にとって、少しでも反原発に
つながる動きは許せないのでしょう」
これは記事の中で官邸事情通という人がいっていること。
安倍さんが本気で、
「(国民に)しっかりと正確な情報を分かりやすく提供していく」
というなら、なにも問題ないじゃんね。
事故後の福島第一原発でなにが起きていたか書かれている
「吉田調書」を積極的に「しっかりと正確」に国民に公開してよ。
そうそう記事には、
「『特定秘密保護法』が施行されていれば、
『吉田調書』は確実に“闇”に葬られていた」
「『吉田調書を入手した朝日の記者も、渡した役人も
逮捕される事態になっていたでしょう』(司法ジャーナリスト)」
だって。おお、怖い。
安倍さんも、ここまで来てまだ嘘ばっかつくって、
ある意味すごい。
そして、それを信じる人がいるのもあたしにとっては衝撃的。
※週刊朝日 2014年6月13日号
※週刊朝日 2014年6月13日号の発売日は6月3日です。
ちなみに朝日新聞の「吉田調書」連載開始は5月20日です。>じゃんね。
>おお、怖い。
>嘘ばっか
>ある意味すごい。
>あたし
>衝撃的。(体言止め)
・・・って・・・。
実は今まで室井佑月の書いた文章って読んだ事が
なかったんですけど、すごいですね。
喋り言葉のまんまで、コラム書いてるんですね。
しかも
「週刊朝日」にですってよ。
ついにここまで落ちぶれていたのか、「週刊朝日」は。
う~~ん。
「よい子のみんなは、こんな文章、真似しないようにしましょうね!!」と、まともな国語教師なら絶対言うと信じたい。
いや、日教組の教員だったら、「満点」を与えるかも知れぬが。
「体言止めで感情を出していて素晴らしいですね!!!」
とかなんとか言って。
しかし私も相当酷いもんですが、さすがに
「あたし」には
ついていけません・・。
で、あちらは一応「プロ」ですしね。
と、まずはそちらに驚いてしまったんですが、
内容も当然
「驚くばかり」です。
「官邸事情通」という言葉は、「政府高官」とか「自民党幹部」とか
よく朝日がやる手法ですから今更驚きませんけど、
「吉田調書」を朝日に漏らした人間がいるのは確かですから、
日本は本当に中枢がやられてるなとは感じます。
しかし何といっても、私から見れば本当に「下衆」としか
思えない、この室井佑月という作家が
「吉田調書」のことを
「こんなもの」などと言い放ってるのが、本当に悔しくて
たまりません。
>でも、こんなもの(吉田調書)が出て来たら、
少しずつ上手くいきつつある。酷い言葉だ。本当に。
この調書がどんな過酷かつ厳しい状況で作成された
ものであるか知ってるはずだろ!
そして、吉田所長の上申書を何故無視するのか!?
と問い詰めたい気持ちにかられる。
そして、
>少しずつ上手くいきつつある。この言葉の中に私達は何を探ればいいだろうか?
先日、
吉田所長の書かれた「上申書」についての
記事を書きました。↓
朝日新聞のセンセーショナルな「吉田調書」報道はイデオロギーに凝り固まった「現場無視」の異常な扇動報道だ!こじつけもここまで来ると
「嘘も百回付けば真実になる」と同じ状態だ、
と書きました。
朝日の病理。
「付け火」です。でもこういうことを朝日新聞は何度でもやるんです。
前の記事で取り上げた、
海外メディアの報道を
今一度確認したいと思います。↓
特約海外新聞として朝日新聞と提携関係にある
ニューヨーク・タイムズ紙は、この問題を詳細に伝えた。
かつて、ニューヨーク・タイムズ紙を始めとする海外メディアは、
第一原発に踏みとどまって、事故被害の拡大防止に努めた所員を、
「フクシマ50」として高く称賛した。
今回の同紙の報道は、それと裏表をなすかのようだ。
目の前で原子炉がメルトダウンしつつあり、それをぎりぎりで
食い止めるため、第一原発での待機を命令されたのに、
パニックに襲われた所員が、持ち場を放棄して逃げた、
というのだ。
ちなみに、朝日新聞の記事は、そこまで断定的な表現はしていない。
これまでは、東電はすべての所員の避難命令を出したが、
少数の非常に献身的な所員だけが後に残って、生命を賭して
事態の悪化を防いだ、という説明がされていた。
もしも今回の朝日新聞の報道が正しければ、
それが否定されることになる、と記事は語る。
また、事故の際に何が起こったかを、政府と東電が
いまだに全面的に開示していないことについて、
批判が再燃するのは確実だろう、としている。
BBCも、所員は東電の命令によって第二原発に避難したのではなく、
逃げた、という側面を中心に報じている。
吉田所長は、同原発内で放射線レベルが比較的低い場所に
一時的に避難して、すぐに持ち場に戻れる場所で待機するよう、
所員に命令していた。
それなのに、部課長級のグループマネジャーを含む大勢が逃げた、
と引用して伝えている。
朝日新聞は本当に
卑怯だと思いますね。
ニューヨーク・タイムスに、
元記事よりもより脚色した
あからさまな捏造記事を
世界に向けて
発信させているわけですから。
そして更に、『死の淵を見た男―吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』
の著者、門田隆将氏によると、
韓国までもが「セウォル号」と絡めて
取り上げているというのです。↓
【朝日の吉田調書報道「なぜここまで日本人貶めるのか」と作家 NEWSポストセブン 2014.06.09 07:00】【朝日の吉田調書報道「なぜここまで日本人貶めるのか」と作家】
(NEWSポストセブン 2014.06.09 07:00)
(一部抜粋)
〈2011年、命令にも関わらず、パニックに陥った作業員たちは
福島原発から逃げ去っていた〉
(米・ニューヨークタイムズ)
〈福島原発の作業員は危機のさなかに逃げ去った〉
(英・BBC)
〈福島原発事故は“日本版 セウォル号”だった!
“職員90%が無断脱出…初期対応できず”〉
(韓国・エコノミックレビュー)
〈日本版セウォル号…福島事故時に職員ら
命令無視して原発から脱出〉
(韓国・国民日報)……
今、世界中で
「実は、日本人は福島第一原発から逃げ出していた」
という記事が掲載されているのをご存じだろうか。
韓国のフェリー「セウォル号」の船長が真っ先に逃げ出して
いたことに驚愕した世界のメディアが、今度はあの
福島第一原発事故の時、日本人も「逃げ出していた」
という報道をおこなっているのだ。
そうです、こうして「尾ひれはひれ」を付けて海外紙、
特に朝日新聞と連携している
反日ニューヨーク・タイムス紙などは、「フクシマ50」と賞賛されていた人々までも
イメージとして貶めているんです。
朝日新聞は、何故吉田調書が非公開になっているのか、
その最大の理由でもある吉田所長の書かれた
上申書の
中身について全く報道しないのは、とにもかくにも
自分たちにとって都合が悪いからじゃありませんか?
菅官房長官が内閣官房のHPで公開した上申書。
私も上の記事で「書き起こし」しましたが、一般人はちゃんと
読むことが出来ます。
しかしそれを敢えて流さないのは朝日の都合でしかありません。
そしてまた、他のマスコミも、その内容をちゃんと
報道したところなどあったでしょうか。
本当に
卑怯としか言いようがありません。
国民の知る権利だとか散々言っておきながら、
公開されたものをロクに流さず、
自分たちの
都合の良いものだけ、しかも故人及びご遺族の
方々の気持ちも無視し、公開する。この異常な状況が本当に許せません。
今回の件に関して、前の記事でも取り上げさせて
いただいた
門田隆将氏がご自身のブログで、
朝日新聞がいかに捏造をしているのか、
非常に解りやすく書いてくださっていますので、
紹介したいと思います。↓
【お粗末な朝日新聞「吉田調書」のキャンペーン記事 2014.05.31 「門田隆将ブログ「夏炉冬扇の記」】【お粗末な朝日新聞「吉田調書」のキャンペーン記事】
(「門田隆将ブログ「夏炉冬扇の記」 2014.05.31)
「ああ、またか」。
失礼ながら、それが正直な感想である。
今週、私は取材先の台湾からやっと帰ってきた。
私が日本を留守にしている間、朝日新聞が
「吉田調書」なるものを“加工”し、
「福島第一原発(1F)の現場の人間の9割が
所長命令に違反して撤退した」
という記事を掲げ、そのキャンペーンが今も続いている。
「ああ、またか」というのは、ほかでもない。
ある「一定の目的」のために、事実を捻じ曲げて報道する、
かの「従軍慰安婦報道」とまったく同じことが
またおこなわれている、という意味である。
私は帰国後、当該の記事を目の当たりにして正直、
溜息しか出てこないでいる。
故・吉田昌郎氏は、あの1号機から6号機までの
6つの原子炉を預かる福島第一原発の所長だった。
昼も夜もなく、免震重要棟の緊急時対策室の席に座り続け、
東電本店とやりあい、現場への指示を出しつづけた。
東電本店のとんでもない命令を拒否して、部下を鼓舞(こぶ)して
事故と闘った人物である。
体力、知力、そして胆力を含め、あらゆる“人間力”を発揮して
「日本を土壇場で救った一人」と言えるだろう。
昨年7月に癌で亡くなった吉田氏は、生前、政府事故調の
長時間の聴取に応じていた。
今回、朝日が報じたのは、28時間ほどの聴取に応じた、
いわゆる「吉田調書」の中身だそうである。
私は吉田さんの生前、ジャーナリストとして唯一、直接、
長時間にわたってインタビューをさせてもらっている。
私がインタビューしたのは、吉田所長だけではない。
当時の菅直人首相や池田元久・原子力災害現地対策本部長
(経産副大臣)をはじめとする政府サイドの人々、また研究者として
事故対策にかかわった班目春樹・原子力安全委員会委員長、
あるいは吉田さんの部下だった現場のプラントエンジニア、
また協力企業の面々、さらには、地元記者や元町長に至るまで、
100名近い人々にすべて「実名」で証言していただいた。
私がこだわったのは、吉田さんを含め、全員に「実名証言」して
もらうことだった。
そして、
拙著『死の淵を見た男―吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』
が誕生した。
私は、吉田氏に直接取材した人間として、
さらには100名近い関係者から実名証言を得た人間として、
朝日新聞が「所長命令に違反」して
9割の人間が「撤退した」と書いているのは
「誤報」である、ということを言わせていただきたい。
今回、自分の意図に反して貶(おとし)められた
故・吉田昌郎さんとご遺族の思いを想像すると、
本当に胸が痛む。
この意図的な捻じ曲げ記事に対するご遺族の心痛、
精神的な打撃は大きく、今後、なにがしかのリアクションが
朝日新聞に対して起こされる可能性もあるのではないか、
と想像する。
朝日の巧妙な捻じ曲げの手法は後述するが、
今回、朝日の記事で「9割の人間が逃げた」とされる
「2011年3月15日朝」というのは、拙著『死の淵を見た男』の
中でも、メインとなる凄まじい場面である
(拙著 第17章 266頁~278頁)。
震災から5日目を迎えたその2011年3月15日朝は、
日本にとって“最大の危機”を迎えた時だった。
その時、免震構造だけでなく、放射能の汚染をできるだけ
シャットアウトできる機能も備えた免震重要棟には、
およそ「700名」の所員や協力企業の人たちがいた。
朝日新聞は、その700名の「9割」が
「所長命令」に「違反」して、原発から「撤退した」
と書いている。
そう吉田氏が調書で証言しているというのである。
だが、肝心の記事を読んでも、
所員が「自分の命令に違反」して「撤退した」
とは、吉田氏は発言していない。
それが「意図的な」「事実の捻じ曲げ」と、私が言う所以だ。
これを理解するためには、あの時、一体、なぜ700名もの人が
免震重要棟にいたのか。
そのことをまず理解しなければならない。
震災から5日も経ったこの日の朝、700名もの職員や
協力企業の人たちが免震重要棟にいたのは、
そこが福島第一原発の中で最も“安全”だったからである。
事態が刻々と悪化していく中で、とるものもとりあえず
免震重要棟に避難してきた所員や協力企業の面々は、
「外部への脱出」の機会を失っていく。
時間が経つごとに事態が悪化し、放射線量が増加し、
汚染が広がっていったからだ。
免震重要棟にいた700名には、総務、人事、広報など、
事故に対応する「現場の人間」ではない“非戦闘員”も数多く、
女性社員も少なくなかった。
彼らをどう脱出させるか――吉田所長はそのことに頭を悩ませた。
700名もの人間がとる食事の量や、水も流れない中での
排泄物の処理……等々、免震重要棟がどんな悲惨な状態で
あったかは、誰しも容易に想像がつくだろう。
事故対応ではない「非戦闘員」たち、特に女性職員たちだけでも
早くここから退避させたい。
トップである吉田さんはそう思いながら、広がる汚染の中で
絶望的な闘いを余儀なくされていた。
震災が起こった翌12日には1号機が水素爆発し、
14日にも3号機が爆発。その間も、人々を弄ぶかのように
各原子炉の水位計や圧力計が異常な数値を示したり、
また放射線量も上がったり、下がったりを繰り返した。
外部への脱出の機会が失われていく中、吉田所長の
指示の下、現場の不眠不休の闘いが継続された。
プラントエンジニアたちは汚染された原子炉建屋に
突入を繰り返し、またほかの所員たちは原子炉への
海水注入に挑んだ。
そして、2号機の状態が悪化し、3月15日朝、
「最悪の事態を迎える」のである。
5日目に入ったこの日、睡眠もとらずに頑張って来た
吉田所長は体力の限界を迎えていた。
いかにそれが過酷な闘いだったかは、拙著で詳述
しているのでここでは触れない。
最後まで所内に留まって注水作業を継続してもらう仲間、
すなわち「一緒に死んでくれる人間」を吉田さんが
頭に思い浮かべて一人一人選んでいくシーン
(拙著 第15章 252頁~254頁)は、吉田氏の
話の中でも、最も印象に残っている。
午前6時過ぎ、ついに大きな衝撃音と共に2号機の
圧力抑制室(通称・サプチャン)の圧力がゼロになった。
「サプチャンに穴が空いたのか」。
多くのプラントエンジニアはそう思ったという。
恐れていた事態が現実になったと思った時、吉田所長は
「各班は、最少人数を残して退避!」と叫んでいる。
たとえ外の大気が「汚染」されていたとしても、ついに
免震重要棟からも脱出させないといけない「時」が
来たのである。
「最少人数を残して退避!」という吉田所長の命令を
各人がどう捉え、何を思ったか、私は拙著の中で
詳しく書かせてもらった。
今回、この時のことを朝日新聞は、1面トップで
「所長命令に違反 原発撤退」
「福島第一 所員の9割」と報じ、
2面にも「葬られた命令違反」という
特大の活字が躍った。
要するに、700名の所員たちの9割が
「吉田所長の命令に違反して、
現場から福島第二(2F)に逃げた」
というのだ。
吉田所長の命令に「従って」、福島第二に9割の人間が
「退避した」というのなら、わかる。
しかし、朝日新聞は、これを全く「逆に」報じた
のである。
記事の根拠は、その吉田調書なるものに、
吉田氏がこう証言しているからだそうだ。
「本当は私、2Fに行けと言っていないんですよ。
ここがまた伝言ゲームのあれのところで、
行くとしたら2Fかという話をやっていて、
退避をして、車を用意してという話をしたら、
伝言した人間は、運転手に、福島第二に行けという
指示をしたんです。
(中略)
いま、2号機爆発があって、2号機が一番危ないわけですね。
放射能というか、放射線量。
免震重要棟はその近くですから、これから外れて、
南側でも北側でも、線量が落ち着いているところで
一回退避してくれというつもりで言ったんですが、
確かに考えてみれば、みんな全面マスクしているわけです。
それで何時間も退避していて、死んでしまうよねとなって、
よく考えれば2Fに行った方がはるかに正しい
と思ったわけです。
いずれにしても2Fに行って、面を外してあれしたんだと思うんです。
マスク外して」
吉田調書の中の以上の部分が
「吉田所長の命令に違反して、現場から逃げた」
という根拠なのである。
しかし、この発言をみればわかるように、
吉田所長は「2F」、すなわち福島第二に
「行ってはいけない」とは全く言っていない。
むしろ、その方がよかった、と述べている。
これのどこが
「吉田所長の命令に違反して、
現場から退避した」
ことになるのだろうか。
サプチャンが破壊されたかもしれない場面で、逆に、
総務、人事、広報、あるいは女性職員など、多くの
“非戦闘員”たちを免震重要棟以外の福島第一の
所内の別の場所に「行け」と命令したのだとしたら、
その方が私は驚愕する。
サプチャンが破壊されたかもしれない事態では、
すでに1Fには「安全な場所」などなくなっている。
だからこそ放射能汚染の中でも吉田氏は彼らを
免震重要棟から「避難させたかった」
のである。
つまり、記事は「所内の別の場所に退避」を命じた
吉田所長の意向に反して「逃げたんだ」
と読者を誘導し、印象づけようとする目的の
ものなのである。
朝日の記事は、今度は地の文で解説を加え、
「吉田所長は午前6時42分に命令を下した。
“構内の線量の低いエリアで退避すること。
その後、本部で異常でないことを確認できたら
戻ってきてもらう”」
と、書いている。
今度は、なぜ調書の吉田証言を「直接引用」を
しないのだろうか。
ひょっとして、そうは吉田所長が語っていないのを、
朝日新聞の記者が“想像で”吉田氏の発言を
書いたのだろうか。
この一連の朝日の記事の中には、実質的な作業を
おこなったのは「協力企業の人たち」
という印象を植えつける部分がいくつも登場する。
しかし、これも事実とは違う。
放射能汚染がつづく中、協力企業の人たちは
吉田所長の方針によって「退避」しており、
作業はあくまで直接、福島第一(1F)の
人間によっておこなわれているのである。
吉田氏は、
「いかに現場の人間が凄まじい闘いを展開したか」
「部下たちはいかに立派だったか」
を語っているはずだ。
しかし、朝日新聞にかかれば、それとはまったく「逆」、
すなわち部下たちを貶める内容の記事となるのである。
私はこの報じ方は本当に恐ろしい、と思う。
一定の目的をもって、事実を「逆」に報じる
からである。
吉田氏は、政府事故調による28時間もの聴取に
応じたことを生前、懸念していた。
自分の勘違いによって
「事実と違うことを証言したかもしれない」と危惧し、
この調書に対して上申書を提出している。
そこには、こう記されている。
「自分の記憶に基づいて率直に事実関係を申し上げましたが、
時間の経過に伴う記憶の薄れ、様々な事象に立て続けに
対処せざるを得なかったことによる記憶の混同等によって、
事実を誤認してお話している部分もあるのではないかと
思います」
そして、話の内容のすべてが、
「あたかも事実であったかのようにして一人歩き」
しないかどうかを懸念し、第三者への「公表」を
強く拒絶したのだ。
昼であるか夜であるかもわからない、あの過酷な状況の中で、
吉田氏は記憶違いや勘違いがあることを自覚し、
そのことを憂慮していたのである。
その吉田氏本人の意向を無視し、
言葉尻を捉え、まったく「逆」の結論に導く
記事が登場したわけである。
私は、従軍慰安婦問題でも、「強制連行」と「女子挺身隊」
という歴史的な誤報を犯して、日韓関係を破壊した
同紙のあり方をどうしても思い起こしてしまう。
「意図的に捻じ曲げられた」報道で、故・吉田昌郎氏が
抱いていた「懸念」と「憂慮」はまさに現実のものとなった。
記憶の整理ができないまま聴取に応じたため、
「公表」を頑なに拒否した吉田氏の思いは、かくして
完全に「踏みにじられた」のである。
私のインタビューに対して、吉田氏は事故の規模を
「チェルノブイリ事故の10倍に至る可能性が高かった」と、
しみじみと語ってくれた。
そして、それを阻止するために、部下たちが
いかに「命」をかけて踏ん張ったかを
滔々と語ってくれた。
しかし、朝日の記事には、そんな事実は
いっさい存在しない。
最悪の事態の中で踏ん張り、そして自分の役割を終えて
私たちの前から足早に去っていった吉田氏。
そんな人物を「貶める」ことに血道をあげる
ジャーナリズムの存在が、私には不思議でならないのである。
命令を無視して「逃げた」と朝日新聞が一方的に
書いていたのは、いわゆる現場での専門職以外の
職種の方達、女性らの避難に関してであること。
「どこに避難するのがもっともよいか」と思案中に
伝言ゲーム的にそれが「指示」とみなされて、
車の手配をしていた方がいた事。
それらの行動は、まさしく、「避難」であって、
「逃げた」などと非難されるものでは全くないのです。
むしろ、「避難」させなければ、それこそ吉田所長は
あとで非難される可能性さえあったとも言えます。
また当時、危険な状態の中で実質的な作業を
行なったのは福島第一原発の職員の方たちであった
にもかかわらず、朝日新聞は、まるで吉田所長が
「協力企業の人たち」を無理に居残らせたかのような
印象を記事で植えつけていたそうです。
実際には吉田所長の方針によって「協力企業の人たち」は
「退避」していたにもかかわらず、です。
そして、「9割が逃げた」、という言葉を大々的に
扇動報道することによって、
「ほとんどの人間が逃げた」
「フクシマ50も逃げようとした」
という印象をも与えた。
最後まで頑張った人達までも
まるで「逃げようとした」かのような印象を与えた。
実際に、海外紙はそういう印象を与える記事を
書いている・・・。
韓国も「日本版セウォル号」などとふざけたことを・・。
吐き気がする!
しかし、本当に酷い・・・。
酷すぎる・・・。
そして私が最も許せないのは、
朝日新聞が、
吉田所長が故人であることを利用したということである。
吉田所長の命がけの調書を弄び。吉田所長が生前
危惧されていた通り、他の方達の調書との照合、また
確認など一切せぬままに、事故調の発表した整合性も
何もかも無視し、自分たちのイデオロギーに都合のいい
ように曲解、捏造、一方的な解釈が朝日新聞によって
為されてしまったのです。
そして、それが大々的にスクープされ、海外のメディアが、
更に「尾ひれはひれ」を付けて日本を貶める報道を流している。
勿論、朝日新聞はそういったことも「折込済み」どころか、
特にNYT紙などとは連携をとっているはずです。
扇動報道の逆輸入。
汚いものです。門田隆将氏も書かれていますが、これは朝日新聞が
吉田清治という共産党員の捏造の物語「私の戦争犯罪」から、
「従軍慰安婦」「強制連行」という言葉を世論と中韓に付け火し、
ばら撒き、ついに「性奴隷」という言葉にまで焚き付け、
日本を「猛火」に包みこんできた手法と同じです。
★そもそもの「捏造従軍慰安婦問題」の発端を
もう一度、皆さんで共有いたしましょう。↓
【慰安婦について調査委員会を設置せよ 2012年08月08日 「池田信夫ブログ」】【慰安婦問題の「主犯」は福島瑞穂弁護士 2012年08月17日 「池田信夫ブログ」】【朝日新聞と吉田清治の心中…葬られた「朝鮮独立支援」 「東アジア黙示録」 2014/01/31】従軍慰安婦問題の元凶、朝日新聞と吉田清治を教科書に載せて断罪しろ!奇しくも苗字が同じで本当に吉田所長には、本当に
申し訳ないですが、吉田所長とは全く正反対に、
日本を底なし沼に陥れ、貶めてつづけた吉田清治という
卑怯な人間が捏造した「従軍慰安婦問題」を朝日新聞は
何の精査もせず大スクープ記事を載せ、吉田清治が
「嘘だった」と自白した後も全くそんなことはお構いなしに、
あちこちに付け火して回り、現在の様な「猛火」となるまで
煽り続けてきた
朝日新聞の罪を
「外患誘致」と言わずしてなんと言うというのか!?
「外患誘致」とは、
「外国と通謀して、日本国に対し武力を行使させる行為」
を言い、法定刑は死刑となっています。
朝日の行為は「武力を行使させる行為」にまで至っていない
と思われるかもしれませんが、そもそも
「外患」とは、
元来
「敵国によるわが国の主権侵害の危険」全般を
示す語であったところが、戦後、戦争の放棄を謳った
日本国憲法下において、いわゆる「利敵行為」という
概念がなくなったため、「外国がわが国へ武力行使をしかける」
ことだけの意味になってしまったといわれています。
ですから、元来の意味からすれば、
朝日新聞の行為はまさしく「外患誘致」といえるものなのです。
また今回の朝日の吉田調書の報道を見て、もう一つ
思い出したのは
「富田メモ」です。
A教戦犯の靖国神社合祀に昭和天皇が反対していた、などいう
「嘘」を朝日新聞が流した、あのメモです。
(朝日は、関連本まで出版しています。)
いわゆる富田メモに対する疑惑まとめサイト「昭和天皇」 富田メモは 「世紀の大誤報」 か テリー伊藤や反日勢力が、この「富田メモ」を利用して、
「天皇陛下はA級戦犯の合祀を知り激怒した。
だからて天皇陛下はご親拝されないのだ。
安倍の靖国参拝は陛下のお気持ちを愚弄するものだ。」
などという戯言を、昨年暮れの安倍総理の靖国参拝の時にも
吐いていました。
しかし、この「富田メモ」に関しても、朝日新聞や日経の報道には
早くから疑問が多く投げかけられ、天皇陛下を政治利用しようとした
朝日の狡猾な扇動報道であることは今や周知こととなっています。↓
テリー伊藤の「大嘘」に騙されるな!靖国神社参拝。天皇陛下の勅使。東京裁判。真実を知ろう!↑この記事でも取り上げていますが、明治天皇の玄孫、
竹田恒泰さんも「富田メモ」について、
昭和天皇が靖国へのA級戦犯合祀に難色を示したと新聞が
報じた富田メモは嘘。
実物を読むと政治利用される事に不快感があったと書かれていた。
現在でも春夏の例大祭に勅使(天皇出席と同等の権威)を派遣している。
こう述べています。
昭和天皇のご親拝の中断は、1975年(昭和五十年)、
当時の三木首相が記者の質問に対し8月15日の靖国参拝を
「私的参拝」と答えたことから社会党が政治問題化し、国会でも
取り上げられたことから、政治的混乱に巻き込まれることを
未然に回避されるために中断されたと言われています。
そもそも1978年(昭和五十三年)秋の「A級戦犯」合祀の
際にも、昭和天皇には事前に上奏がなされ、「A級戦犯」の
合祀は昭和天皇のご了解のもとに行われています。
また、A級戦犯と言われる東條英機らに対しても、
「富田メモ」で書かれている内容とは全く異なる心情を
吐露されていらっしゃいます。
そして、A級戦犯が合祀されてからも昭和天皇はご親拝されて
おられ、その後も「勅使」が春と秋の例大祭に毎年参向されて
います。
現在も今上陛下は直々には靖国神社へのご親拝は
されておられませんが、昭和天皇と同じく、「勅使」が
春と秋の例大祭に毎年参向されています。
その「勅使」とは、どういう立場の方であるか。
武田恒泰さんによれば、天皇陛下の「代理」
というよりも寧ろ、「天皇陛下がご親拝されている」
ことと同等の非常に重い意味を持つ、ということです、
ですから、「A級戦犯合祀に反対して参拝していない」
というのは、全くの嘘でたらめなのです。
天皇陛下を利用しているのは、朝日新聞であり、
反日の連中なのです。
こうしてみると
朝日新聞のやり口は、本当に
「えげつない」と言わざるを得ません。
いわば、絶対に反論できない人達、または
確認しようと思っても確認出来ない人達の
遺したものを、こうして自分達の都合のいいように
利用するからです。
また、
一度「捏造だ、嘘だ」と答えが出ても、それを
無視し続け、何度も何度も焚き付けてくる。朝日新聞のやることは、どれだけ人を
傷つけるものであるか。そして、
どれだけ日本を、日本人を傷付け、
貶めるものであるか。福島の「風評被害」に関する報道もしかりです。
「美味しんぼ」→「中核派」→「報ステ」。 全ては繋がっている。【追記あり(重要)】(★重要追記あり★)「報ステ」が「中核派の診療所」を紹介する異常さ。被災者に絶望しか与えない煽動報道はもうやめろ!!!日本をどこまでも貶め続ける朝日新聞。
許すべきではない。
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