真央ちゃん、ちゃんと寝てるだろうか。
どうか気持ちをゆっくり元に戻してね。
なんで神様はここまで試練を与えるのか。
「なんでですか?」
何度も頭のなかでこの言葉が回っていた。
キム・ヨナは淡々とまとめてきた。
そして審判はいとも簡単に「74.92」を出してきた。
バンクーバーと同じことをまた本当にやるのだ、と思った。
最終組。
リプニツカヤと、コストナー、ソトニコワには
ノーミスで滑って欲しかったので応援した。
3人とも自分が好きな選手であることと、
不正採点を浮き彫りにさせるには、ノーミスでいて欲しいと思った。
リプニツカヤの転倒は驚いたけど、団体のフリーの時も演技直前、
コーチと時間かけて落ち着かせようとしてたから、
やっぱり緊張はあるんだろうなと思った。
コストナーは、トリノとバンクーバーの時は両方とも
ジャンプの失敗などがあって、下位に沈んでしまった記憶が強かったので、
団体でSPの演技を見た時、今までで一番素敵なコストナーを
見ることが出来て、彼女も2度の「失意」からここまで自らを押し上げて
来たんだなぁと感慨深かった。
ソトニコワは、リプにも勝った実力があるのに、
全く日本のマスコミが取り上げなくて、腹立たしい思いがしてたけど、
SPでやっぱり実力を発揮したなと思った。
ソトニコワは、演技へとリンクに飛び出すとき、
リンクカバーに両手をバン!とついて気合を入れてたのがわかった。
真央ちゃん・・・。
余りにも色んな思いがありすぎて、「ノクターン」の調べに
気持ちを乗せることが出来なかったのではないかと思った。
キム・ヨナの「74.92」という点も、その後の滑走選手が
滑走前に知る状態なら、特に最終滑走組は、敏感になると思う。
昨年の福岡でのグランプリファイナル。
真央ちゃんは、SPで素晴らしい演技を見せてくれた。
あの時、完璧と思った3Aがまさかの回転不足を取られ、
技術点が演技直後あれよあれよという間に5点近く下げられ、
結局72点台になった。
次の日、クロアチアのゴールデンスピン大会で、キム・ヨナが
73.37点を出し、無理やりな「実績」を作り出した。
この時のことが全てだったように思う。
浅田選手が完璧に滑ったSPの点数を参考にして、
今回の五輪のキム・ヨナの点に関しては大体の見当を
つけていたのではないか。
キム・ヨナは、結果がどうであれ、74点台後半。
これを基準に、ノーミスのコストナーも、そしてソトニコワも
キム・ヨナより僅かに低い点に抑えられた。
74点も相当高い。
でも、75点を超えるとキム・ヨナの演技では「爆上げ感」が大きいから
丁度良かったのだろう。
スーパーの「198円」や「398円」のような感覚で
付けられた点数が本当に気持ち悪い。
福岡でのSPは上位の選手は、ノーミスに近かったと思う。
キムヨナの点数が異様に高く出た翌日の福岡でのフリーは、
皆、総崩れだったのを覚えている。
あれは、前日のキムヨナの点数に少なからず動揺したからではないか。
真央ちゃんはさらに、3Aヘの「混乱」が出来てしまったのではないか。
あの時、解説も含め誰もが、しっかり回ったと思った。
真央ちゃんもそうだった。
あの演技の終了時、「やったー」とぴょんぴょんジャンプしていた。
「絶対に跳んだ」と確信できていたあの3Aを回転不足にされてしまったら、
いったいどう跳べばいのか。
そういう混乱があったのではないか。
あの時以降、3Aは、完璧に跳べたものはなかったと思う。
完璧に跳んでも点が伸びない。
完璧に演技ができたと思っても点が伸びない。
「気持ちの混乱」が起きるのは当たり前の状態だと思う。
今季、なんとか調子上げていけば、まさか、バンクーバーでのような
採点は起こらないだろうと思っていたことは福岡で崩れた。
自分の素晴らしい演技を完全否定されたことは大きかったのではないか。
どんなに完璧に演技しても、点は届かないのではないか。
そう思ったのではないか。
それでも、さらに超ハードなプログラムになってしまう、フリーで3Aを2本
入れることを一時考えたのは、なんとしても超えたいという思いが
あったのかもしれない。
そんなふうにどんどん追い詰められていったのではないか。
私などが勝手に思っていた以上に。
福岡でのSP「ノクターン」。
先ほどの五輪のSP終了後、暫く呆然とした後、ふいにこの時の演技を観たくなった。
浅田真央 2013 GPF SP:ノクターン素晴らしかった。
美しかった。
なんて幸せな気持ちになるのだろう。
涙がぼろぼろ出てきた。
気持ちが調べに乗っていた。
福岡の温かい観客が作り出す空気もあったからかもしれない。
最高の演技だった。
演技終了後、花束がフラワーシャワーのようにリンクに投げ込まれた。
この時の演技は「宝もの」になる、と思った。
真央ちゃんは「ノクターン」の「完成品」を残してくれていたのだと思った。
少しホッとした気持ちになった。
すごく悲しいはずなのに、ほんわりと少し幸せな気持ちになった。
なんでこれほどまでに神様は真央ちゃんに試練を与えるのか、と
思っていた気持ちが、少しだけ変わった。
フリーの演技は、まだ完成品がないのだ。
五輪は、キムヨナの不正採点でもう金メダルが決まっている。
昨夜の点数ではっきりわかった。
連中は確実に不正をフリーでもやる。
神様は敢えて、この不正採点によって穢れてしまった
金メダル争いに、真央ちゃんをもう巻き込ませたくなかったのではないか。
中途半端な順位だったら、また真央ちゃんは頑張ってしまう。
追い詰めてしまう。
そうなれば、金メダルがキム・ヨナの手にある試合は、
真央ちゃんにとって結果も得られず、さらには、
素晴らしい演技も残せないかもしれない。
もし、真央ちゃんが素晴らしい演技をしても、
既に決まった金メダリストとともに、また一つ下の表彰台で立つことが、
真央ちゃんにとって、それは絶対に耐えられないことなのではないか。
そして、明らかな不正採点が行われていると、
素人が見ても既にはっきりしたが、日本チームには、
そして日本には、その不正採点を糾弾し、提訴するような、
行動も力も恐らくない。
政府がもし動こうとしても、日本のマスコミは、
五輪への政治介入だなんだと猛反対するだろう。
マスコミは、何年もの間、真央ちゃんを追い詰めてきた
国内の主犯格だ。
日本は真央ちゃんを助けることが出来なかった。
ロシアなら・・。
ロシアなら、猛然と抗議するのではないか。
不正を暴くとしたら、その力があるのはロシアしかない。
でもそんなことまではわからない。
もう、耐えられない。
自分でさえそう思ってしまう。
真央ちゃんは、どれだけ辛かったことだろうか。
想像がつかない。
こんな国家的犯罪が浅田真央という日本の愛すべきフィギュア選手に
襲いかかるなんて、トリノ五輪が終わった直後に誰が想像しただろうか。
日本国内の敵。マスコミ。
クズマスコミ。
真央ちゃんのSP16位という順位は、
マスコミが真央ちゃんをこれほどまでに貶めたのだということを
突きつけているように感じる。
魂を売った連中は、この現実を直視できるのか。
お前たちが、貶め続けた私達の愛すべき選手は、
これほどまでに、これほどまでに、苦しんでいたんだぞ・・・・。
「メンタルが弱い」などという言葉は当てはまらない。
あのバンクーバーで、19歳で、あの異様な中で、
浅田真央は完璧な「仮面舞踏会」を踊った。
そして、毎シーズン、彼女は試合から逃げなかった。
毎年挑戦し続けた。
母の死にも必死に耐えて・・。
真央ちゃん、よくぞここまで諦めずに、スケートを続けてきてくれた。
何度もきっと心が折れそうになっただろう。
いや、心が折れた時があったのだと思う。
真央ちゃん、「ノクターン」は、あなたが創ってくれた
「完成品」があるから、大丈夫。
でも、「ラフマニノフ」の「ピアノ協奏曲 第2番 第1楽章」は
確かまだ完成品がないよね。
今夜は、その「完成品」を創り上げる日になったらいいな。
後世まで伝える真央ちゃんの「ラフマニノフ」。
真央ちゃんの今の気持ちは、きっと、この曲が受け止めてくれる。
思いの全てを投入しながら滑ることが出来る。
幼い頃から音楽の才能を認められ、音楽家への道へと進んだラフマニノフ。
19歳の時、楽曲が熱狂的な人気を得たが、
その3年後、交響曲の初演に失敗し、猛批判を受け挫折。
失意の5年間を経て、再びこの「ピアノ協奏曲 第2番」で
復活を果たし名声を確立したラフマニノフ。
真央ちゃん自身が選んだ曲。
明るい曲ではなくて、敢えてこの曲を選んだ。
今夜、この完成品が観られることを私は楽しみにしてるよ。
真央ちゃんの笑顔が最後に見られたら、
私達にとって、それはとても大きな幸せ。
真央ちゃんは日本の宝。
貴方の演じるこの曲もきっと「日本の宝物」になる。
sm21525892 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18 辻井伸行 / Nobuyuki BBC Proms full
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