【参院選シリーズ④】東日本大震災の原子力被害者早期救済法『 仮払い法 』 は何故、時間がかかったのか?(その1)
- 2013/07/11
- 20:28
これ、ちょっと長いですが、
『平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案』。
略称「原子力被害者早期救済法案」といいます。
が、「仮払い法」と、ごく短く言われることが殆どです。
参院自民党がコツコツと議論してきた
原子力災害の「国による仮払い法案」。
この法案は野党のみの5党共同提出の議員立法です。
法案提出者は、自民党の福島県出身佐藤正久議員、
公明党の浜田昌良議員、
みんなの党の福島県出身の小熊慎司議員(現 維新の会)、
新党改革の福島県出身、荒井広幸議員らを中心に、
たちあが日本を含む5党、合計10名の議員による発議でした。
※自民党は参院の佐藤正久議員(比例区 改選組)、
森雅子議員(福島選挙区 改選組)、
岩城光英議員、そして衆院の吉野正芳議員の福島県出身議員ら。
参議院から出された議員立法が可決されたのは、
これが戦後2回めだそうです。(しかも野党のみ。)
勿論これ以降また増えるわけですが、このことが或る意味「異常」である、
ということにも注目しなければいけないと思います。
すなわち、法案というものは、そもそもが政府与党から
出されるものであるということです。
通常の「政府与党から提出される法案」は
★衆議院(可決)
→ 参議院(可決ならそのまま成立)
→(否決、あるいは60日以内に議決されなかった場合)
→ 再び衆院
→ 再議決
→ 3分の2以上で可決。
で、今回は、参議院からスタートですので、そこからも変わってきます。
それと、東日本大震災は、第177回の通常国会中に
起こりました。
(2011年1月24日~8月31日までの220日間。
当初の会期末は6月22日だったが70日間延長。)
この「仮払い法」も、この「177国会」で成立しました。
この国会の数字、覚えやすいので覚えておいて欲しいです。
本当に重要な国会でした。
では、この「仮払い法案」が成立するまでを見て行きたいと思います。
★まず、どんな法案かを簡単に。
新党改革の荒井広幸議員が、簡単に説明してくれています。↓
【基金と仮払いを国がやる法案成立なるか!? 】
もうちょっと詳しく書いときます。↓
※7月14日に行われた参院震災復興特別委員会で、
公明党の山本博司議員の質問の中に分かりやすい説明が
あったので、それを書いておきます。↓
原発事故によりまして住民や事業者に甚大な損害が
発生していることから、東電は早急に損害賠償の支払を
行う責任がございます。
しかし、実際には、一部の仮払いが行われておりますけれども、
資金調達もままならない上、最終的には東電の判断に委ねるために、
少額の支払にとどまっております。
さらに、原子力被害が収束をしていないために損害範囲が確定せずに、
賠償請求が難しいことなどから、ずっと議論がございましたけれども、
支払が確実に遅れております。
つまり、法律に基づかない東電による仮払いは、
支払が遅い、金額が足りない、賠償の範囲が不明確
という問題が、今まで指摘されたとおり、問題が
ございます。
急ぐべきは何なのか。
それは被害者の救済でありまして、被害者の手元に
仮払いをいち早く届けること、これが第一に果たす
責任でございます。
こうした問題があるにもかかわらず、四か月たっても、
政府の対応は、自ら救済の矢面に
立とうとせずに、国の責任を回避を
しているわけでございます。
そこで、この「国の仮払いを促進をする」という今回の
原子力事故被害緊急措置法案、野党共同提案で国会に提出を
したわけであります。
この法案が成立することで原子力被害者の早期救済が
行われる、これが多くの方々が期待をしているところでございます。
これは、発議者の皆様を含めまして、大変御尽力に敬意を表する
次第でございます。
★では、審議を追っていきます。
※審議の順番はこちらを参考にしました。↓
【議案審議情報 「原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案」】
★2011年 7月 7日 参議院に議員立法で提出。
●参議院の「東日本大震災復興特別委員会」にて審議。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(補足説明)
7月14日までの審議の中で、1つ動画がありますので見て下さい。↓
【7.11 参議院東日本復興特別委員会 谷岡郁子 】
この谷岡郁子の質疑の議事録はこちら。👇
★第177回国会 東日本大震災復興特別委員会 平成23年7月11日
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/177/0152/17707110152008c.html
◎この時の最も重要な点は、とにもかくにも
「平時」ではなく「非常事態」であったことです。
平時には「厳密性」というのは非常に重要ですが、非常事態なんです。
非常事態時に最も重要なのは、何を置いても「迅速性」だと思います。
しかも、この時点で、被災からすでに4カ月が経過していました。
正確な支払いよりも迅速な支払いの方が優先されるべきだと
皆さんも思うはずです。
◎そして、最初の、参院、震災復興特別委委員会での議決の日を迎えます。
その時の動画です。↓
【H23/07/14 参院震復興特別委・【隊長他提出原発被災者早期救済法案可決!】】
◎この動画の中で反対意見を述べているのは
民主党の相原久美子(「消えた年金の根源」自治労の幹部)と
共産党の山下芳生です。
【第177回国会 東日本大震災復興特別委員会 議事録 平成二十三年七月十四日】
◎賛成した党は、自民党、公明党、みんなの党、新党改革、
たちあがれ、そして社民党(おぉ!)です。
(というか、賛成するのが「当たり前」だと思いますけどね。)
◎反対したのは、与党であった民主党、国民新党、そして共産党です。
(ちなみにこの時、「生活の党」と「みどりの党」「維新」はまだない。)
◎反対した民主党の理事には岡崎トミ子、金子恵美、小西洋之、
藤原良信の各議員がいました。
●金子恵美は地元福島県選挙区
●岡崎トミ子は隣県被災地の宮城選挙区で、しかも生まれが
福島です。
◎上記の議事録を見れば理事の他、委員にも誰がいるか判りますので、
ぜひ見ておいて欲しいと思います。
岩本 司→参院選不出馬
郡司 彰→野田内閣で農水大臣
加賀谷 健→政界引退
那谷屋正義→日教組幹部
姫井由美子→未来の党 衆院選落選
主濱 了→生活の党
谷岡 郁子→(改選組)みどりの風 比例
増子 輝彦→福島選挙区
平山 幸司→(改選組)生活の党 青森
山根 隆治→(改選組)埼玉
今野 東→宮城出身 野田内閣で復興副大臣 2013年4月死去
◎反対理由は。。。、
●民主党 → ????????
●共産党 → 「東京電力に賠償の責任をトコトン果たさせるべきだ」
●国民新党 → 衆院で審議中の「原子力賠償スキーム法案」を優先すべき
で、一応、起立採決の結果、賛成多数で可決されました。よかったです。
しかし、政府与党側が反対だったために、本当に
「薄氷を踏む思い」の可決でした。👇
★第177回国会 2011年 7月 15日 本会議投票結果
案件名:平成23年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案
(佐藤正久君外9名発議)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/177/177-0715-v001.htm
※ちなみに参考動画です。↓
【西田昌司「原発被害者へ賠償金の仮払を拒否する菅・民主党よ」2011/07/13 】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★2011年 7月14日 参議院の東日本大震災復興特別委員会にて可決。
※今度は、法案が参院の委員会から参院本会議に移されます。
★2011年 7月15日 参議院本会議 議決。
記名投票による採決が行われる。
●投票総数233 賛成(白色票)123
反対(青色票)110
●13票差で賛成多数。
よって「震災仮払い法案」が参議院で可決される。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(補足説明)
◎もしここで「否決」されてしまっていれば、
「廃案」になっていたわけです。
完全に「水の泡」となってしまうところだったんです。
とにかくギリギリで生き残った法案だったんです。
国家の非常事態。
とにかく一番迅速に、被災地を国が責任をもって支援しなければならない時期。
この時に、平時の時のように法案を考えるのはおかしいです。
また、「東電に丸投げ」なんてあり得ません。
東電憎し。
自分たち(政府与党)は責任を一切取らない、取リたくない。
全責任を東電に背負わせる。
こんな考えがまかり通るなんて絶対におかしいです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★2011年 7月19日 参議院から衆議院へ付託
●東日本大震災復興特別委員会で経過
●細部の修正が行われたが、ほぼ原案どおりとなる。
★2011年 7月26日 修正案を議決 衆議院本会議へ移される。
★2011年 7月28日 衆議院本会議にて修正案の決議。
●起立による採決が取られ起立多数で可決される。
★2011年 7月28日 衆議院より参議院へ回付。
★2011年 7月29日 参議院にて修正案の決議。
●記名投票による採決が行われる。
●投票総数237票
賛成(白色票)231票
反対(青色票) 6票
●賛成多数をもって本案の衆議院修正に同意することに決する。
★2011年 8月 5日 公布
※野党参院議員だけが提出した参議院法案で、修正案ではない(ほぼ丸呑み)
「新法」が成立したのは、この法が憲政史上初めてとのこと。
【参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第29号 平成二十三年七月二十九日】
★7月29日の代表討論より
(↑上記の議事録より、それぞれ一部のみの抜粋です。)
◎自民党 松村祥史 参議院議員
仮払金に対しては、「遅い」「少ない」「わかりにくい」という声が
現場の被災者の方々から数多く上がっております。
先日も福島県の大熊町など四町村の商工会の方がいらっしゃいました。
原発から20キロ圏内の警戒区域内にご自宅がある方々です。
その方々のお話では、東京電力からの仮払金は支給までに時間が
かかり、またせっかく支給された仮払金も手元に届く前に、口座から
仕入れの返済分を抜かれている。
これが現実なんですと訴えられました。
これでは、誰の為の、何の為の仮払金なのか、
全く分からないではありませんか。
そこで我々は、被害者の方々に、迅速かつ十分に、賠償が
行き届くよう、野党5党が共同して、いわゆる「仮払法案」を
提出いたしました。
この法案は、東京電力の賠償責任は厳しく追及しつつも、
国が前面に立つことにより、早期に被害者救済を行おう
というものであります。
また、事務手続きを迅速化し、仮払いの金額も
損害賠償額の半分以上という十分な水準を確保しています。
更には仮払金の差押え、譲渡、担保の禁止といった
確実な救済を実現するものであります。
成立すれば、発災後初めての野党提出の議員立法となる
重要な法案であり、被害者の方々は心待ちにしておられます。
◎菅直人総理大臣
公布の日から四十五日を超えない範囲で施行すること
とされており、政府としては必要な政令の整備に全力で
取り組んでまいりたいと考えております。
◎公明党 山本博司 参院議員
今般、衆議院において、真摯な与野党協議の中で、
国の責任で仮払いを行うという趣旨は原案どおり生かされつつ、
実務的な部分での修正を含め、より迅速な被害者救済が図れる
内容となったことは高く評価するものであります。
賠償金の仮払金が一刻も早く被害者の手元に届くよう、
心から期待するものであります。
また、政府においては、法律案に基づき、
仮払い等に係る事務的な体制整備を急ぐとともに、
予算措置についても、さきに成立した第二次補正予算の
予備費の活用など、適切に対処するよう強く要請します。
◎菅直人総理大臣
政府としては、御指摘の仮払い法案が成立したときは、
必要な事項について早急に法律案に規定された
政令を定めるとともに、関係省庁が連携して仮払金の
支払に係る体制を整備し、迅速かつ適正な支払が
行われるよう努めてまいりたいと考えております。
また、当面必要な経費については、今年度第二次
補正予算に計上された東日本大震災復旧・復興
予備費の使用や、今後編成する第三次補正での
計上を視野に適切に対応してまいりたいと考えて
おります。
これで、やっと、「仮払い法案」が成立し、
いよいよ、政府が執行してくれる!!!
そうです!
野党自民党は立法府機関の国会でしか動くことが
出来ない。
法を執行できるのは行政府のみ。
政府与党にしか出来ない。
立法府と行政府は全く違う。当然だけど・・。
復興をどう進めるのかというのは、最終的には
行政府の腕にかかっている。
だから、いくらなんでもやるだろう!
そう思っていたら・・・・。
この続きは「その2」へと続きます・・。
国民を守るとはどういうことか?
国会議員は誰がなってもおんなじなのか?
扇動報道や嘘の報道、自分たち都合の悪いものは
伝えない。
そんなマスコミ報道に惑わされないで、真実の国会を
見て欲しいです。
そして、自分の目で確かめて欲しいです。
★【参院選シリーズ⑤】
東日本大震災の原子力被害者早期救済法『 仮払い法 』 は
何故、時間がかかったのか?(その2)
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