【参院選シリーズ③】 東日本大震災の9ヶ月前に自民党が出した「津波対策法案」は何故間に合わなかったのか。民主党の「不作為」という大罪。
- 2013/07/08
- 10:21
【大川小:震災前、津波訓練せず 検証委が中間まとめ(毎日新聞 2013年07月07日)】
【大川小:震災前、津波訓練せず 検証委が中間まとめ】
(毎日新聞 2013年7月7日)
(一部抜粋)
東日本大震災の津波で宮城県石巻市立大川小学校の
児童・教職員84人が死亡・行方不明になった問題で、
避難行動などを検証する第三者機関「大川小学校事故検証委員会」は
7日、同小だけでなく同市内の各小中学校の防災マニュアルは
津波対策が不十分だったとする中間報告案をまとめた。
同小では津波の訓練は実施も検討もされていなかったという。
ちょうど、このことに関わる記事を書こうと思っていました。
防災教育、防災訓練が、いざというときの命を守るために、
いかに大切なことであるか。
★東日本大震災に際して、1000名を超す死者が出た釜石市で、
多くの子供たちの生命を救った「釜石の奇跡」。
数年にわたり釜石の子供たちと共に「防災教育」に従事してきた
片田教授のインタビュー動画です。↓
【防災教育から生まれた『釜石の奇跡』-片田教授に聞く-(前半)】
★動画の後半かこちらからどうぞ。↓
【防災教育から生まれた『釜石の奇跡』-片田教授に聞く-(後半)】
災害社会工学を専門とする片田教授は、2004年から
岩手県釜石市の防災・危機管理アドバイザーとして、
防災教育に取り組んだそうです。
片田さんが唱える津波対策の柱は、下記の「避難3原則」です。
(1)想定にとらわれない
(2)最善を尽くす
(3)率先避難者になる
東日本大震災では、市内の小中学14校の生徒約3000人が避難。
生存率は99・8%に達し「釜石の奇跡」として語り継がれることに
なりました。↓
【想定外を生き抜く力-片田敏孝氏 「東日本大震災を考える」教育講演会(2) 】
(中学受験 高校受験パスナビ by 旺文社)
この「釜石の奇跡」で重要なことの1つに、片田教授の「危機感」と、
釜石市の防災担当者の「危機感」が一緒になって実現したことが
あげられると思います。
市の防災担当者が「危機意識」が薄く、
「いや、そこまで別にやらなくてもいいんじゃない?」と思えば、
学校単位などで、しかも毎年続けて行くことは出来なかったと思うのです。
行政の役割とは大きいのだ改めてと思います。
で、この「釜石の奇跡」は本当に徹底した防災教育だったわけですが、
ここまでは無理だとしても、一人でも多くの人が助かる術というのは、
普段からの「意識を高める」事にあったと思われます。
それには、行政挙げての防災教育と防災訓練が一にも二にも
重要であると実感させられます。↓
【防災コラム 「チリ津波が残した課題」
<2010.4.1.> インターネットで発信する防災情報新聞より】
【防災コラム 「チリ津波が残した課題」
(防災情報新聞 2010年4月1日).
(一部抜粋)
去る2月27日、南米チリ沖で発生した巨大地震による津波は、
翌28日、日本の太平洋岸に到達し、沿岸の養殖業などに大きな
打撃を与えた。
さいわい人的被害はなかったものの、
津波警報下での住民の避難行動などに、大きな課題を残した。
地震が発生したのは、2月27日午前3時半すぎ
(日本時間:同日午後3時半すぎ)で、
地震の規模は、Mw (モーメント・マグニチュード)8.8という
海溝型の超巨大地震であった。
地震とともに発生した津波が、日本の沿岸にも襲来すると
予測されたため、気象庁は28日午前9時33分、東北3県
(青森、岩手、宮城)の太平洋沿岸に大津波警報、その他の
太平洋沿岸に津波警報を発令した。
これを受けて各自治体は、沿岸住民に対する避難勧告・避難指示を
行った。
津波は、1万7000kmの太平洋を渡り、地震発生から約23時間後の
28日午後、日本沿岸に到達した。
このように、海の向こうで発生した地震によって襲来する津波は、
「遠地津波」と呼ばれている。
気象庁は、最大で3mをこえる津波が襲来する可能性を予測して、
大津波警報を発令したが、岩手県久慈港や高知県須崎港で1.2m、
そのほかの大部分の地域では1m以下であった。
そのため気象庁は、翌日の記者会見で「津波の予測が過大だった」
とするお詫びを述べたが、これに対して多くの専門家が、
「気象庁の判断は正しく、お詫びの必要はなかった」
と指摘している。
筆者も同感である。
沿岸に到達した津波により、三陸の沿岸などで、カキやホタテ、
ワカメなどの養殖いかだが、ほとんど流失した。
被害額は60億円にも達するという。
そのほか、フェリーや海岸近くを走る鉄道の運休が相次ぐなど、
交通機関に影響がでた。
宮城県気仙沼市などでは、道路の冠水や家屋の床上・床下浸水
などの被害を生じた。
住民の避難行動についても、課題を残した。
総務省消防庁によると、大津波警報の発表地域で、実際に
避難所に避難した住民は、全体の7.5%であり、津波警報が
発表された地域では、わずか2.8%にすぎなかったという。
この記事で書かれている「チリ沖地震」というのは、
東日本大震災が起こった2011年の前年2月に起こった
地震のことなんです。
気象庁が記者会見で「津波の予測が過大だった」とするお詫びを
述べた、ということですが、なにか、マスコミから批判でも受けた
のでしょうか?
その辺りはわかりません。
でも、この地震の時、「危機意識」というものは、
結構問題点として上がっていたことが解ります。
そして、この問題点をしっかりと把握し、国として法を作り、
いざというときに備えようとする動きがちゃんと起こって
いたんです。
それは自民党からでした。↓
【自民党 小野寺五典|活動報告: 津波対策法案 2010年6 月11日 (金)】
小野寺五典|活動報告:
津波対策法案 2010年6 月11日
本日、議員立法で津波対策の推進に関する法律案を
衆議院に提出しました。
津波対策を総合的かつ効果的に推進するための法案です。
先日のチリ地震に伴う津波の際に浮き彫りとなった問題に
対応できる内容となっております。
次期国会での成立に全力を挙げて参ります。
2010年6月11日。
東日本大震災のちょうど9ヶ月前でした。
自民党の衆院議員
(二階俊博、林幹雄、石田真敏、小野寺五典、谷公一、長島忠美)と
公明党の衆院議員(石田祝稔)による議員立法として提出されたんです。
自民党は当時、与党ではなかったので、「議員立法」として提出
しています。
与党民主党が国会に取り上げてくれていたら、
通常は政府与党の閣僚が座っている「議案発案者」席側に、
小野寺さんらが座って、質問を受け、スムーズに行けば、
あの東日本大震災の前の年の11月5日に国あげての
「津波防災訓練」が為されていた・・はずだったのです・・・。
民主党は自民党提出の「津波対策法案」を
ずっと無視していた・・・。
そして、翌年の2011年3月11日。
津波対策法案は棚晒しになったまま、
この日を迎えてしまいます。
下記記事にも経過が載っています。↓
【与野党超え対策を、週明けの国会審議が本格化】
(ローカルニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社2011年4月9日)
【与野党超え対策を、週明けの国会審議が本格化】
(神奈川新聞社 2011年4月9日)
東日本大震災の復興や、福島第1原発事故対策をめぐっての
国会審議が週明けから本格化する。
10日に統一地方選の前半戦が終了することに加え、
野党サイドが「1年前から津波対策を訴え続けてきた」
などの経緯を踏まえ、審議活性化を強く要求。
与党も応じる方向となったためだ。
昨年4月13日、二階俊博元経済産業相や松本純・元官房副長官
(衆院比例南関東)らが自民党内に津波対策議員連盟を発足した。
公明党と連携して同6月11日には衆院へ
「津波対策推進に関する法律案」を提出している。
しかし与党が300議席以上を占める状況下で、
本格審議されない「つるし」の状態が続く。
法案では
(1)津波の観測体制の強化や調査研究の推進
(2)防災上必要な教育や訓練の実施
(3)必要な施設の整備
などを列挙。
「稲むらの火」の故事にちなむ毎年11月5日を
「津波の日」と定め、津波への備えの啓発活動を
続けていくこともうたっている。
二階氏と松本氏ら議員連盟の一行は今年3月30日、
岩手県釜石市など大津波被災地を訪問。
その惨状を前に政治による支援の必要性を痛感したという。
二階氏は「何を犠牲にしても何を後回しにしてでも、
国家の総力を尽くして災害復旧と現地の人々が希望を持って
立ち上がれるよう努力を傾けていく」
と議連会長としてコメントしている。
これまで国会の災害特別委員会で審議(委員質疑)が行われたのは
衆院が3月28日と4月7日、参院は4月6日のみ。
「閣僚に震災対応を優先してもらう」との配慮からだが、
復興や被害の再発防止などをにらめば衆知を集める機会は不可欠だ。
震災・原発事故の集中審議を行う参院予算委員会が
18日に開かれる見通しとなるなど、与野党の歩み寄りも進む。
松本氏は「津波対策法案は、国会がさまざまな視点で
国民の生活を考えていることの象徴だ」とした上で、
「与野党という壁を越えて『稲むらの火』をともせるように
していくことが国会の責務」と話した。
◆稲むらの火 安政元年11月5日(新暦の1854年12月24日)夜、
安政南海地震の津波が紀州藩広村(現・和歌山県広川町)を襲った
際に、実業家・浜口梧陵が大量の稲束の山に火をつけて安全な高台
への避難路を示し、村人を救った。
今春の教科書(小学5年生、光村図書出版)に64年ぶりに採用された。
その後「津波対策法案」は、2011年6月10日に
衆議院本会議で可決し、6月17日に参議院本会議で可決・成立し、
6月24日に公布・施行されました。
この「津波対策法案」が前年に速やかに可決され、
施行され、11月5日に本格的な「津波防災訓練」が
行われていたら・・・・・。
津波が来たらどこに逃げるか、その防災意識が
植え付けられていたら・・。
学校単位で防災教育、防災訓練ができていたら・・。
★当時の小野寺五典議員のツイッターより 2011年6月9日
チリの津波被害を受けて昨年6月に自民が提案していた津波対策推進法が明日成立見込みです。私も法案提出者の一人。昨年は民主の反対により審議に入ることさえ出来なかった法案です。一年前成立出来ていたら。実際に津波により甚大な被害を受けた今が、少しは違ったのではないかと思ってしまいます
— 小野寺 五典 (@itsunori510) 2011, 6月 9
小野寺 五典 @itsunori510 2011年6月9日
チリの津波被害を受けて昨年6月に自民が提案していた
津波対策推進法が明日成立見込みです。
私も法案提出者の一人。
昨年は民主の反対により審議に入ることさえ
出来なかった法案です。
一年前成立出来ていたら。
実際に津波により甚大な被害を受けた今が、
少しは違ったのではないかと思ってしまいます
全ては、この国会中継の動画を見れば分かります。↓
★H23.07.06 衆議院 予算委員会 赤澤亮正:民主党、防災意識の欠如!
(5分10秒くらいから~)
【菅総理の不見識ぶりに赤澤議員(自民)怒る!7.6衆議院予算委員会 】
★議事録はこちら↓
★【第177回国会 衆議院予算委員会 集中審議 議事録 平成23年7月6日】
「9カ月間一度も審議してもらえなかったんですよ!!」
自公の議員が与党である民主党の先生方に
足を運んで頭を下げても、審議してもらえなかったんですよ!!」
津波対策推進法案。
一言で言えば、東日本大震災が発生する9カ月前に、
対応がまだ間に合う段階で自公が共同提出をしたにもかかわらず、
与党が不見識で無理解で、たなざらしにした、握りつぶした、
不作為を働いた・・。
2年前、この国会中継の動画を見て、愕然としました。
赤澤議員がここで訴えてる言葉が全てです。
当時は悔しかった。
菅直人は・・・、いったい何を言ってるんだ??お前は?? と思った。
何のことを言ってるんだか。
いつのチリ地震のことを言ってるんだか。
寝てたのか?
2010年2月27日に起こったチリ沖地震に依る津波を教訓に、
同年6月に自民党が議員立法で提出した「津波対策基本法案」。
これを全く知らず、また、津波法案が出されたきっかけであるチリ地震を、
60年前のチリ地震のことと思い込み、話に持ち出す菅直人の
あまりの馬鹿さ加減に、開いた口がふさがらない。
菅直人は、この法案が出された経緯さえ
全く理解していなかったのです。
ついでに言えば、
前年行った原発の防災訓練も、何をしたか、というか、
原発防災訓練をしたことさえ忘れていたんです。
なんかもう、今は、虚しさを感じます。
「不作為を働いた」
「不作為を働いた」
「不作為を働いた」
与党民主党が!!
民主党は、この国民を守るための重要な法案に対して、
全く積極的に働きかける行動をとらず、その法案を放置した。
そうです、
これこそが与党民主党の「政治の不作為」!
民主党の大罪です!
マスコミは、当時も、「自民党が全然協力しない」
さらには、「自民党が邪魔をしている」とまで言ってた。
ふざけるな!! 嘘吐きマスコミ!!
自民党がほとんどの法案の素地を作っていた!
国民を守るための法案を考える能力さえないなら、
その気もないなら、与党を辞めろ!
民主党政権で思ったのはそれだった。
宮崎の口蹄疫の時も同じだった。
政治が狂っていけば国民はあっという間に危険な状況にさらされる。
助かる命も助からなくなってしまう。
真っ当な政治家を選ぶしかないんです。
自民党は、野党でありながら、震災関連法案を次々と出していった。
自民党は、被災地のために懸命に動いたんです。
それが事実。
だから私は自民党を応援します!!
頑張れ! 安倍自民党!!
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