「正しい」ことと「正しく伝える」こと

今回の橋下の暴言に怒りが湧いて仕方がありません。

いつも拝見している「夕刻の備忘録」さん、本当に気持ちが伝わる・・。
泣けてきます・・。↓

【「正しい」ことと「正しく伝える」こと】

全て転載します。

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正しいことと「正しく伝える」ことは違う。
「正しく理解させる」ことは、さらに違う。

正しいことを声高に叫んで、それが正しく伝わり、
正しく相手に理解されるなら、教師など要らない。

教科書を声高らかに読み上げれば、全ての生徒がそれを理解して、
全ての生徒は満点を取る。
こんな幼稚な話を敢えて書かねばならぬのも、
全ては頭のオカシナ「共同代表」とやらの大暴走のおかげである。

「慰安婦」と「従軍慰安婦」は違う。
それが「制度」であるかないかは、また違う。
そして何より、その英訳は決定的に違うのである。

誤解を生む言葉の再拡散の拠点になることを恐れるので
原語は書かない。
多くの方は既に御存知のことであろう。
そこから再翻訳された「性奴隷」なる言葉の異様さ、
果たしてそれが英語圏の人々に如何なる印象を与えるのか、
想像することも恐ろしい。

そして、その想像はそれでも甘すぎるのではないかと
危惧されるのである。

この問題に言及する者は誰であろうと、こうした言葉違いに
繊細でなければならない。
慰安婦という言葉があり、そこにある日突如として
「従軍」なる冠が付き、そして某国は政治プロパガンダの
一貫として、欧米人に様々な意味で刺激的な、「奴隷」なる言葉を
貼り付けて流布させ、我が国を徹底的に貶めることに成功した。

「強制連行」を騒ぎながら、分が悪いと見るや、
「強制」が問題なのではない、「存在」が証拠だ、
それが問題だと転向した。

これだけブレても、信じる人は後を絶たないのである。

こうした言葉のそれぞれについて、その違いを正確に主張し、
捏造に関しては徹底的に潰していく必要がある。

この実に地味で後向きな行為に、数多くの先人が汗を流されてきた。
黙々と取り組んでこられたのである。
学者然り、市井の人また然りである。

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それをあの馬鹿が、一瞬にして崩壊させた。
何やら「正しい発言をしたのだから、あれはあれでいい」などと
言っている人も居るらしいが、仮に一連の発言に真実があるとしても、
「正しい発言」が正しく伝わるとは限らない。
正しく理解されるとは限らない。

この問題は元より政治プロパガンダなのであるから、
正しく伝わることも理解されることも「絶対に有り得ない」
という前提で話さなければならない。

すなわち、「正しいか否か」は全く問題ではないのだ。
本人は論外として、アレを擁護する人達は、このことを
如何に考えておられるのだろうか。

先ず間違いなく、英語圏のメディアは、この問題を
「奴隷」という言葉を付けて扱うだろう。

そして某国は、そう扱うようにロビー活動を活発化させるだろう。
ロビー活動と言えば聞こえはいいが、あれは間接的な買収に過ぎない。
従って、関係の薄い人ほど利益率が高いのである。
ローリスク・ハイリターンなのである。
故に多くの人に拡がるのである。

意味も分からず、知ろうともせず、それでも雄叫びさえ
挙げておけば金になるとしたら、誰がこれを断るだろうか。

彼等の倫理感に期待しようとでもいうのか。
そんな赤の他人の倫理感に縋る方が、よほど
倫理感に欠けるのではないか。

メディアは間違いなく、日本の政党代表が、
「過去の奴隷を容認し、今の奴隷の活用を米軍に勧めた」
と書くだろう。

我々は英語の語感を持たないのである。
彼等がこの言葉を聞いた時に感じる、その感覚を理解できない。
従って、否定するにもする武器を持たないのである。

相当の教養人が相手であっても、この「奴隷」なる言葉が
張り付いた問題には、冷静な議論は成り立たないものと
覚悟しなければならない。
グローバルスタンダードとは、「自分のことは棚に上げ」
というスタンスなのだから。

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「他国もやっている、世界中がやっているのに、何故日本だけが
糾弾されねばならないのか」などという陳腐な論法では、
更に火に油を注いでいるようなものである。

世界中がやっているなら、「世界中」はそれを一緒になって
否認するだろう。
そして、日本だけを悪者にして、自分達は「絶対善」の彼方へと
隠れるだろう。
それは彼等が互いに目配せをし、相づち一つ打てば済むことである。

信仰を持つ人には縛りがある。絶対に許せない言葉がある。
口に出すことも憚る行為がある。そうした人達に向けて、
あの発言が如何に伝わるか。その伝わった内容を、
如何にして我々は知るか。
そして、誤解の連鎖を如何にして断ち切るか。
まさに事態は絶望的だと思われるのである。

一神教の人々は、決して我が国の宗教観を認めない。
「無宗教は人間でない」と考えている。
「多神教は宗教にあらず」と考えている。
当然、靖國神社への参拝も、彼等は宗教行為とは認めない、
他国のこととして諦めているだけだ。

ほとんど唯一「宗教の輸出に失敗した国」として、彼
等は常に我が国をターゲットにしている。
そうした国々が、この種の問題に対して如何なるスタンスを取るか。
ましてや、それを政治的に誘導する国がある時、彼等が
如何なる認識を持つようになるか。
「話せば分かる」ではない、「話しても決して分からない」ことを前提に、
我々は話さねばならない、話し続けねばならないのである。

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何度も繰り返すが、こうした卑劣なプロパガンダに対抗するためには、
緻密な戦略が、冷静な草の根の運動が必要なのだ。
言葉の一つひとつに繊細な人達が、空しい努力を厭わない人達が、
人生の半分を捨てる覚悟で取り組むことが必要なのだ。
そして実際、多くの方々がその気概をもって取り組んでこられたのだ。

憤りで気が遠くなりそうである。
「万死に値する」とは、まさにアレのことである。
表面的な派手さにつられて、擁護論を展開する方には再度熟考して頂きたい。

あの発言が、平均的なアメリカ人、英語を解する平均的な人達に向けて、
どのように翻訳され、どのように伝わり、どのように理解されていくか。

いや、どのように誤解されていくかを恐れて頂きたい。

世界は誤解で出来ているのである。
あの発言を今さら無かったことには出来ない。
我々に出来ることは、一日も早くアレを公職から追放することだけである。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2013.05.17

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一つ前の記事、 【武人の誇りとゲスの本音 (05/15) 】も、
どうか読んで欲しいです。

先人の誇りと名誉を取り戻したいです。
そして、未来の日本の子や孫が、日本人として誇りを持って
生きていける日本を取り戻すことが今の私たちの使命だと思っています。